2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16H03120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30377775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会システム / 社会的ジレンマ |
Outline of Annual Research Achievements |
高次の報酬・懲罰系社会構造を提案し,社会的ジレンマ問題を解決し,持続可能な協調的社会を達成するための制度設計を行った.高次報酬懲罰系社会構造に関して:(1) 被験者実験による理論解の実現可能性評価(2) エージェントベースモデリングによる理論解との乖離の原因解明(3) 実社会システムにおける行動データ分析,を行った. 被験者実験においては,これまで解析およびシミュレーションで求められていた解が被験者実験においても再現されるかどうかを確認した.その結果,これまでの解析,シミュレーション結果はおおむね支持されることが明らかとなった. また,高次報酬系を持つ社会システムであるソーシャルメディアを対象とし,データ分析によって高次報酬系システムが理論通りに有効であるかを確認した.その結果,実社会のソーシャルメディにおいても高次報酬系システムが協調の維持に有効であることが示された.一方で,実社会システムが従来のモデルと異なるシステムによって運用されていることを考慮し,その違いを考慮した新しいモデリングを試みた.実社会システムを表現する新しい高次の報酬・懲罰系社会構造モデルの構築を行いシミュレーションを行った.その結果,従来のモデルでは協調的社会が実現できる条件においても,実社会システムでは協調的社会が実現できないことが明らかとなった.そこで,高次報酬系実社会システムでもあるソーシャルメディアにおける,協調的社会実現に必要な条件を明らかにするため,モデルの改良を行った.今後提案モデルにおいて協調的社会実現の必要条件を探っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験,データ分析,シミュレーションいずれも予定通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
・引き続き被験者実験を実施する.より複雑なパターンについて実験を行う.得られた結果は,解析解と被験者実験の乖離を説明するモデル構築に利用する. ・引き続き実社会の高次懲罰報酬計社会システムのデータ分析を実施する.また,明らかになった現実社会とモデルとの乖離をシミュレーションによってさらに精緻に分析することで,より協調的社会実現に適した社会システムの構築を目指す.
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