2017 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ用いたリアルタイム大気腐食評価システムの開発
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16H03132
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
笠井 尚哉 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20361868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 慎司 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50293171)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大気腐食評価 / 腐食モニタリング / 社会インフラ / 塩化物イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
ひずみ法によるリアルタイム大気腐食モニタリングシステムを開発するため、まず、研究室のようなノイズが少ない環境下で測定を行い、高精度なリアルタイムモニタリング手法を検討した。そのため、ひずみ測定において2アクティブ、2ダミー法を採用するとともに、環境ノイズを相殺するダミー回路を兼ね備えたひずみ増幅システムを自作し、これらを用いて腐食モニタリングシステムを構築した。この腐食モニタリングシステムを用いて片持ちはりを模した実験でひずみ測定精度の検証を行いひずみ測定が高精度であること、その後、電解実験によりテストピースの板厚を減少させることで、開発した腐食モニタリングシステムが有効であることを明らかにした。しかしながら、温度によるノイズが存在したため、モニタリングデータと同時に環境中の温度を測定した。これらの結果から熱出力による検量線を作成し、補正方法を検討した。また、ベトナムダナン市(腐食速度、大)、横浜国大(腐食速度、小)で暴露試験を行い、本センサで得られた結果を詳細に解析することで、モニタリング精度の向上手法を検討した。さらに、光ファイバーを用いた腐食モニタリングシステムを構築し 光ファイバーのテストピースへの接着方法を改良した方法において、波長変化と温度変化との関係は良好な線形性を示すことを明らかにした。さらに、電解実験によりテストピースの板厚を減少させたところ、本システムを用いて板厚減少の傾向を捉えることができることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した内容を順調に進めていること、平成29年度に国際学術雑誌に一報が掲載されたこと、また、特許も申請したことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ひずみ法によるリアルタイム大気腐食モニタリングシステムの開発についての研究項目の概要を以下に示す。ベトナムダナン市と横浜国立大学で長期モニタリング試験を実施し、環境条件やワッペン試験片等で得られる結果と比較し、モニタリング精度の向上手法を検討する。研究室での腐食実験(乾湿サイクル)と長期モニタリングデータにより、温度、湿度、腐食生成物によるひずみ信号の発生メカニズム解明とそのモデル化を行い、実験条件を正確に再現する数値解析モデルを作製し、腐食生成物が存在する場合のデータ補正方法を理論的に検討する。また、試験片を曲げたまま熱処理を行い、その後、直線形状にした試験片を用いた直線型センサを検討する。さらに、昨年度に引き続き、光ファイバに1個のFBG素子と腐食センサを組み込むことを検討し、ひずみを印加した前後での特性波長のシフトの評価、及び腐食センサの応答特性評価(感度・応答速度・繰り返し再現性・温度ドリフト)を行う。
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Research Products
(5 results)