2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the blister generation mechanism at the contact area of the robotic cuff and development for the safety evaluation equipment
Project/Area Number |
16H03134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 陽滋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90166744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 靖博 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00610536)
岡本 正吾 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10579064)
伊藤 安海 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40356184)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 装着型ロボット / 接触安全 / 創傷リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,主に装着型ロボット-皮膚接触面における皮膚側応力分布を計測するための,接触面直下に配置する新型応力センサの開発である.センサ素子はPVDFフィルムの両面にアルミ蒸着で電極を形成したものであり,圧電効果によりひずみを検出する.開発段階では,再現性の観点からセンサ素子を埋め込む母材としてゲルを用いている.同様の観点からひずみの印加にはモータで駆動される水平往復機構を用い,ゲル表面に繰り返しせん断変形を与え,その際の変形量・変形速度・センサ位置によるセンサ出力への影響を計測・評価した. 本年度は,まずPVDFフィルムを用いたシート型センサおよびそれを用いたシステムの構築を行った.センサ素子は,PVDFフィルムの両面にシート電極を蒸着し,それを樹脂フィルムと保護フィルムで被覆した構造である.今回,センサは短冊状の形状とし,下方に電極端子を取り付け,配線を行った.軟組織中にセンサ素子を直立させるため,下方より素子を挟んで固定し,配線は固定部の下方に配置した.これにより,弾性母材に埋め込まれる部分と配線部が分離された. 次に,センサ素子の動作を検証するため,弾性母材に繰り返しせん断変形を与える実験装置を構築した.実験装置は,センサを固定する架台,弾性母材表面に接触して変形を与える接触子,接触子を繰り返し動作させる動作部からなる.センサおよび弾性母材を固定する架台は樹脂により作成した.接触子はアクリル板であり,均一で滑りのない接触を実現した.駆動部は市販の垂直多関節マニピュレータを用いた.これにより,再現性のあるせん断変形の印加が可能となった. 本装置を用いてセンサを埋め込んだ弾性母材に繰り返しせん断変形を与え,出力を計測した.また,開発したセンサシステムと電気的に等価なモデルを構築し,出力波形を比較した.これによりセンサシステムの動作を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PVDFフィルムを用いたセンサシステムを構築した.センサ素子を弾性母材に埋め込み母材と一体として変形する構造とする一方,多数のセンサ素子を配列するための配線を行う空間的余裕のある構造とした. また,センサの動作を検証するための試験装置を,多関節マニピュレータを用いて構築し,センサシステムの動作検証を行った.これにより,弾性母材に与えた繰り返しせん断変形をセンサ素子が正常に計測できていることを,等価の電気的モデルとの比較により確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
動作が確認されたセンサ素子を用いて分布センサを構築し,その動作の検証および構成の最適化を行う.具体的には,センサ素子の仕様,埋め込み深さおよび配置,ひずみ量および周期等を変数として比較検証することにより,センサの評価および最適化を行う.これにより,柔軟母材内部のひずみの3次元計測が可能であることを確認する.さらに,分解能および適用範囲の拡大に向けた実験および検討を進め,装着型ロボット接触部における局所的な応力集中を計測可能な精度を達成する.
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