2016 Fiscal Year Annual Research Report
雷嵐の電波観測と気象観測の融合が拓く、極端気象、雷災害の監視と短期予測の研究
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16H03150
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
芳原 容英 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10303009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 大祐 東海大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00169129)
成田 知巳 湘南工科大学, 工学部, 教授 (00767808)
岩崎 博之 群馬大学, 教育学部, 教授 (70261823)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 雷災害 / トータルライトニング / 気象災害 / ELFトランジェント / 電荷モーメント / 極端気象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施事項については,2つの大目標に関連して以下の事項を実施した. (1)雷活動及び電磁波の複合観測を用いた極端気象現象の監視と短期予測 (a) トータル雷標定システムのアップグレードのため,センサーの空白地域である東海地方の候補2地点において,電磁環境調査を実施した.その結果,両地点とも電磁環境は機材設置,観測に良好であることが確認された.(b) レーダエコー データを用いて雷雲セルの追跡を行うコンピュータプログラムをMATLABにて構築した.このプログラムを用いて,事例解析として日本国内で発生した激しい降雨に伴う雷活動の時空間変化を導出し考察を行った. (2)雷エネルギー別、国内落雷時空間特性の導出と雷災害の軽減.(a)北海道におけるELF帯(極超長波)電波観測点の新設を行い,連続観測を開始した(本観測を母子里から陸別に移設予定).その結果,落雷に伴うELF帯トランジェントが新観測点においても正常に受信されることが確認された.現在,九州観測点も合わせて3観測点が稼働中である.(b)風力発電設備への落雷電荷量と,落雷に伴って発生したELF帯トランジェントより推定された電荷モーメントの比較を実施し,両者に良い相関関係を得た.(c)2つのELF観測点において,ELF帯トランジェントを同時観測することにより,落雷地点を交会法により導出し,電荷モーメントの推定を実施した.また,トータル雷観測データにより得られた落雷位置と比較することによりその落雷位置推定精度の検証を行った(初期解析結果).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H28年度中に本来実施を予定していた課題のうち,未だ終了していないものが複数あるため,’やや遅れている’という評価とした.具体的には,トータル雷,ELF観測点の展開の遅れがあげられる.また,データ解析に関しては,雷雲追跡アルゴリズムの実装の遅れと,北海道の新観測点を用いた複数のELF帯トランジェント観測点からの交会法によるデータ解析の遅れがあげられる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記11にて述べられた遅れを取り戻すべく,まずはH29年度中に,迅速にトータル雷,ELF観測点の展開を実施し,安定した連続観測データの取得に努める.また,それぞれのデータ解析については,落雷の追跡アルゴリズムの実装がほぼできたので,今後順調に解析が進展することにより,遅れを取り戻す予定である.
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[Presentation] 国際宇宙ステーションGLIMS ミッションにより観測された雷発光強度を用いた雷の電気的特性導出に関する研究2017
Author(s)
鈴木克徳, 柿沼遠方, 芳原容英, 佐藤光輝, 高橋幸弘, 足立透, 牛尾知雄, 河崎善一郎, 森本健志, 山崎敦, 鈴木睦, I.R.Linscott, U.S. Inan
Organizer
第95回日本大気電気学会
Place of Presentation
神戸研究学園都市大学利用施設 UNITY(ユニティ)(兵庫県神戸市)
Year and Date
2017-01-06 – 2017-01-07
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