2017 Fiscal Year Annual Research Report
想定外の豪雨地盤災害を対象としたメッシュ型無線センサー監視システムの開発
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16H03152
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
中田 幸男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90274183)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 素之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00304494)
吉本 憲正 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00325242)
森 啓年 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20355803)
梶山 慎太郎 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (50803532)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 地盤災害 / センサー / 監視 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，メッシュ型無線センサー網から得られる地盤変状のデータ分析に基づく地盤災害の監視システムが，想定外の災害を監視する上でより有効であることを明確にしつつ，災害に対する危険度の定量的評価に対する技術開発を行う。まず，センサー網を構築するために，センサーやデータ集積装置のハードウェアを開発(1)する。その上で，現地に開発した無線センサー網を設置し，地盤の観測データの取得(2)を行う。得られた過去の大量のデータ分析に基づいて，災害源となる危険箇所を抽出できる情報処理システムを開発(3)し，有効性を検討する。一方，人為的に作成した土構造物に対する崩壊における予兆に対するデータを体系的に収集し，崩壊直前までの挙動を検討(4)する。得られた知見を踏まえ，過去の膨大なデータと現在のデータとの比較によって危険度判定の判断基準と基準値を更新できるシステムを開発(5)するものである。平成２９年度までに、(1)～(4）について成果を上げることができた。
(1)については、２組の無線センサー網を整備した。いずれも30台規模からなるセンサーで構成され、かつ、データ集積システムを完備している。
(2)については、現地に設置している機器の安定した長期運用に対する課題の抽出を行いつつ、盛土法面および河川堤防でのデータ収集を行った。斜面に設置したセンサー網では、斜面対策のための工事期間のデータ収集できた。
(3)については、現地計測データおよび、斜面土槽実験から得られた計測データを対象に分析可能なソフトウェアの開発を行った。これでは、計測データについて学習する機能を有し、異常を判断できるよう、深層学習のアルゴリズムを組み込んだ。
(4)については、斜面土槽および河川堤防土槽を作成するとともに、各土層にあわせた降雨装置を設計し、製作した。その上で、模型実験を実施し、基本的な測定データの取得を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)については、当初の計画通りの進捗である。(2)については、予算の関係上センサー規模を縮小してはいるものの、当初の予定通り、斜面および河川堤防にてデータ取得と保管が進んでいる。(3)については、当初の予定通りの機能を組み込んだ開発している。(4)について、斜面の模型実験については、遅れ気味であるが、河川堤防の模型実験は、先取り気味で進んでいる。全体をみれば、予定通りといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
(1)斜面および河川堤防での観測データの取得：センサーを設置している斜面および河川堤防での観測データの取得を行う。昨年度、盛土斜面の現場では、変状に対する対策が施されたことから、工事前後での変状の違いの取得を目指す。なお、種々の観測機器の計測データも取得していることから、機器による比較も行う。また、今年度から新規に地すべり斜面での計測の実施を検討する。河川堤防での観測については、引き続き観測体制の強化を図り、継続的な観測データの取得を目指しつつ、豪雨時のデータ収集を可能な状況を確立する。
(2)斜面崩壊に対する模型実験の実施：平成29年度に作成した模型実験装置を用いて、降雨斜面崩壊実験を実施する。得られた地表面の傾斜データについては(4)での分析に利用する。
(3)河川堤防の崩壊に対する模型実験の実施：平成29年度に作成した模型実験装置を用い、堤防崩壊実験を実施する。得られた地表面の傾斜データについては(4)での分析に利用する。
(4)観測データおよび模型実験データの分析と異常箇所抽出のためのプログラムの開発：引き続き、現地及び模型実験で得られたデータを基準に、異常を判断できる深層学習を取り入れたプログラムを開発する。この開発では、学習用データの質の向上と、量の確保が重要であるという認識から、特に、(2)や(3)について精力的に実施する。
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