2018 Fiscal Year Annual Research Report
GPSとInSARを統合した地盤変位計測による時空間切れ目のない安全監視技術開発
Project/Area Number |
16H03153
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
清水 則一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70150357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 伸一郎 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70346089)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | GPS / DInSAR / 変位モニタリング / 時空間連続計測 / 地盤沈下 / 斜面 / 火山 / 地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
DInSARによる変位計測における数値標高モデルの精度の影響を29年度に続き調査した.特に,計測期間中に掘削によって地形(高さ)が変化するような鉱山斜面の場合,最新の標高モデルを用いること,最新の標高モデルはInSARによって求めることができること,数㎝精度の計測をするためには干渉させる衛星間距離を150m以下とすることが望ましい,などを明らかにした.また,年間を通じて精度の良い計測を行うためにマイクロ波の対流圏遅延の影響は大きな課題であり,30年度,高度な解析を必要としない簡易な補正法を考案し, 30年度は阿蘇山に調査に行き,新たに提供を受けたGPS計測結果と本法によるDInSAR結果を用いて妥当性を検証した. 基礎研究とともに,本研究成果の実課題への適用性の検証と課題の解決が重要である.まず,インドネシアのスマラン市における広域地盤沈下の長期観測に対し29年度提案した欠測期間も含め挙動を接続する新しいデータ処理法を用い,時間-空間切れ目のない計測を実施した.このテーマはインドネシア地理情報庁とバンドン工科大学との国際共同研究として継続している.また,ボスニア・ヘルツェゴビナのトゥズラ市の地下岩塩採掘による地盤沈下の観測も継続し,現地と連携し過去の観測結果との整合性とともに,最新のGPS計測結果を入手し本研究の妥当性を検証した.これは,トゥズラ大学等との国際共同研究である.さらに,これに加えて,スロベニアの南西部の広域地すべり地帯,ブルガリア黒海沿岸の地すべり地域,への本研究成果の適用を新たに開始し,それぞれ国際共同研究として進めている. GPSについては,低コストセンサーの有効性の基礎および現場計測実験を行い,精度が多少劣っても連続計測により従来のスタティック法とそん色ない結果が得られること,数Hz程度の動的計測が可能なことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地盤変位の時空間連続の切れ目のない計測体制の確立に向けて,GPS変位計測の汎用化と高度化(低コストセンサー利用と動的計測),DInSAR変位計測の実用化への課題解決(誤差低減,時系列解析,悪受信条件における対応),および,研究成果に基づく国際共同研究の推進,の進捗を図っている.研究実績の概要に示すようにすべて順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
31年度は研究最終年度となるために,それぞれの課題について,(1)低コストGPSセンサーによる変位法の確立(汎用化と動的計測),(2)DInSARによる実用的な地盤変位計測法の確立(誤差低減,時系列解析,悪干渉条件下の処理,結果の解釈),(3)国際共同研究の推進,を図る.具体的には,これまで提案し検証してきた方法,国内外から入手した様々なデータを用いて実施する. そして最終的には,研究目的であるGPSとDInSARを統合した時空間切れ目のない地盤変位計測法として取りまとめる.
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Research Products
(20 results)