2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H03196
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 准教授 (90384784)
小田 雄介 帝京大学, 薬学部, 助手 (80505941)
高瀬 有加里 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教務職員 (80718057)
茅沼 秀樹 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10329196)
金井 詠一 麻布大学, 獣医学部, 助教 (20632219)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロバブル / セラノスティクス / 超音波 / 超音波造影 |
Outline of Annual Research Achievements |
セラノスティクスバブル製剤の開発:既に特許申請したバブルをプロトタイプとし、外殻素材について検討した結果、パーフルオロプロパンガスの保持性を高め、安定性を高める脂質とその添加量を決定することができた。最終剤形は、室温で保存できる造影ガス充填凍結乾燥製剤でバイアル瓶で供給することが目標なので、等張量のスクロースを添加して凍結乾燥製剤化を検討した。常法に従って、-30度の冷蔵庫で事前に凍結し、凍結乾燥装置でバブルの凍結乾燥製剤化を行った。凍結乾燥直後の製剤について、特性を評価したところ、凍結乾燥前の特性を示し、バブル数も元の数だけほぼあった。ところが、約1ヶ月の室温保存中に、凍結乾燥製剤のケーキの縮みや割れる状態が出現した。このものを復水すると、バブルの数の減少が起きており、超音波造影能も低下していた。この解決に取り組み、約半年以上の時間を費やしたが、凍結乾燥機の冷却装置で凍結することと、減圧と冷却速度などの微妙なコントロールが重要であることが判った。結果として、ケーキの縮みや割れを生じない凍結乾燥条件を見出すことができ、再現性のあるバブルの凍結乾燥製剤を得ることができるようになった。外殻素材の無菌化と乳化操作を無菌的に行う必要があるが、オートクレーブ可能な装置を用いることで、解決できた。スケールアップの問題があるが、最終製剤処方、無菌的な製造法、室温保存できる凍結乾燥製剤化を完成した。特に、凍結乾燥操作で減圧と冷却温度の制御が重要である点を知れたことが大きな成果である。 セラノスティクスバブル製剤の機能評価:凍結乾燥製剤を復水し、In vitroキャビテーション、生体内安定性と滞留性、造影性能について検討した。外殻素材の検討の結果、パーフルオロプロパンガスの保持性が良い、つまりマウス体内でも、30分程度まで血流観測できる生体内安定性と滞留性をもつ組成比を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終剤形は、室温で保存できる造影ガス充填凍結乾燥製剤でバイアル瓶で供給することが目標なので、室温保存化での機能変化について慎重に検討した。凍結乾燥直後の製剤について、特性を評価したところ、凍結乾燥前の特性を示し、バブル数も元の数だけほぼあった。ところが、約1ヶ月の室温保存中に、凍結乾燥製剤のケーキの縮みや割れる状態が出現した。このものを復水すると、バブルの数の減少が起きており、超音波造影能も低下していた。この問題の解決に取り組み、半年以上の時間を費やすことになった。解決作は、凍結乾燥機の冷却装置で凍結することと、減圧と冷却速度などの微妙なコントロールが重要であることが判った。凍結乾燥を専門とする業者に相談し、実用に耐える新しいプロトコールを完成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい凍結乾燥バブル製剤の造影能とキャビテーションを、小動物、大動物で検証する。 マウスでのセラノスティクス評価 : ルシフェラーゼ遺伝子などのレポーター遺伝子をマウスに尾静注して、治療用超音波(0.5~3MHz)を肝臓、心臓、固形癌部位に向けて体外から照射し、生体イメージング装置(IVIS現有装置)で検出して評価する。固形癌部位については、免疫染色で傷害性を評価する。 大型動物としてミニブタとイヌで行う。 ブタでのセラノスティクス評価 : 帝京大学中央実験動物施設において、ミニブタを用いてヒト用超音波造影装置(現有)で、血管や主要臓器の造影の持続時間、鮮明性を評価する。治療超音波装置で、温熱療法を実施し、組織の損傷度合や傷害性を検討する。 イヌでのセラノスティクス評価 : 麻布大学附属動物病院において、イヌを用いて鎮静や麻酔の施術を行い、超音波造影装置(現有)で血管や主要臓器の造影の持続時間、鮮明性を評価する。治療超音波装置で、温熱療法を実施し、組織の損傷度合や傷害性を検討する。
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Research Products
(2 results)