2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the multi-channel neural recording system supporting the basis of physical function substitution technology
Project/Area Number |
16H03218
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
安藤 博士 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (00638794)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経信号計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
BMIシステムによりALSや麻痺等の患者にむけて身体機能を代替する新リハビリテーション技術開発が進んでいるが、大脳皮質で100億も存在する神経細胞に対し、既存の100点(チャネル)程度でしかない神経活動記録方法では、意図推定精度の向上という高性能化に限界があると考えられる。本研究ではキックバック雑音抑制型チョッパー技術、低クロストークアナログマルチプレクサ技術、入力容量低減T型容量スプリット技術を組み合わせて、低雑音化と高集積化を両立し、従来のアンプ集積度を1桁以上改善する埋込み型超多点計測集積回路システムの開発研究に取り組む。従来にないBMIシステムの小型化・高性能化を達成し、桁違いに神経信号活動記録数を増加させることで革新的に性能を向上させる新しい身体機能代替技術の基盤研究を行う。 BMIシステムでは、微弱でゆっくりとした成分である神経信号を、集積回路を用いて低雑音で増幅する必要があり、周波数が低いほど桁を増して大きくなる1/f雑音(特にCMOS回路で顕著)を考慮した設計が最重要となる。一般的に低雑音化するには低雑音アンプ(LNA)の面積を広くすることで対策可能であるが、これはワンチップでマルチチャネル計測という目的に対してトレードオフとなる。昨年度はこのトレードオフ課題に取り組み、低雑音アンプの前後を生体信号の周波数帯域よりも十分高い周波数で変調することで、低雑音アンプの持つ1/f雑音のみを高い周波数成分に変換し、結果的に全体の1/f雑音を抑制する、チョッパー回路の設計と、高集積化に向けて入力段にアナログの信号多重化回路(マルチプレクサ、MUX)の設計も実施し、実際にチップを試作した。今年度は試作したチップの評価を行うとともに、T型容量スプリット技術を用いることで、ユニット容量のサイズはそのままで、トータルの容量値を1/10程度まで削減可能な低雑音アンプを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画として、昨年度試作したチップの評価を行うとともに、T型容量スプリット技術を用いた低雑音・高集積度アンプチップの実現を計画しており、そのどちらも計画通りに遂行できたものの、試作チップの評価結果から得られた想定外の不具合に対する解決策の検討及びその対策に時間を要したため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる高性能化を狙い、研究成果を統合して、従来のアンプ集積度を1桁以上改善した超多点計測集積回路システムの開発研究に取り組む。
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Research Products
(1 results)