2016 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の複合的行動能力を特異的に鍛えるトレーニング法の開発
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16H03222
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
吉武 康栄 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (70318822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 直和 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20420408)
金久 博昭 鹿屋体育大学, 理事, その他 (50161188)
小河 繁彦 東洋大学, 理工学部, 教授 (80553841)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 課題難度 / 一次運動野 / 皮質脊髄路 / 大脳興奮性 / 筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢によるヒト生体機能の低下の抑制を図る上で,特定の効果を得るためには,その目的に沿った方式でトレーニングを行うべき,という「特異性の原理」に基づき,通常,筋力=筋力トレーニング,巧緻性=力調節トレーニング,認知機能=脳トレーニングなど,それぞれが個別に行われる.一方,日常生活やスポーツでの動作は,これらの機能が同時に参画する複合的行動能力がその優劣を左右するため,複合的機能こそが,特異的に鍛えられなければならない.本研究では,筋力,巧緻性,認知機能の複合的行動能力を同時に高めるハイブリッド筋力トレーニング法の開発を目指す. 本年ではまず,片側性の随意的筋収縮(活動)時に,反対側同名筋に不随意的に発生する筋活動(反対側投影)現象に着目し,片側性力調節課題の難易度が,反対側投影の発現の大きさに影響を及ぼすか明らかにすることを目的とした.健常若齢者9名を対象に,左手にて随意的な等尺性示指外転動作を行った.発揮する力の目標値の強度は,最大随意収縮力(MVC)の20から80%とした.対象者は,目前に提示された目標値および許容範囲を目視しながら,発揮する力を許容範囲内に可能な限り合わせるよう努力した.その際,許容範囲を各目標強度の±2%(難課題),または±7%(易課題)とした.右手の第一背側骨間筋より導出した筋電図から,力調節課題中のRMS値(aEMG)を算出し,反対側投影の度合を評価した.その結果,aEMGは,難課題が易課題よりも大きかった.したがって,反対側同名筋の不随意的筋活動は,力調節課題の難度が高い方が増加することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題難度と大脳の興奮性について,基礎的知見を蓄積できている.
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Strategy for Future Research Activity |
負荷(筋収縮強度)は同一であるが難度は異なる動作時において,大脳興奮性の増加はどのレベルに起因するのか,経頭蓋磁気刺激法などを用いて詳細に明らかにする.
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