2018 Fiscal Year Annual Research Report
場の状況推定を可能にする身体動作ビッグデータの文理融合型研究
Project/Area Number |
16H03225
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 倫也 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60347606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 西蔵 東洋大学, 情報連携学部, 助教 (20646228)
角所 考 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50263322)
長松 隆 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80314251)
阪田 真己子 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (10352551)
山本 知仁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60387347)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情動の科学 / 身体的インタラクション解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
場の状況推定を可能にする身体動作ビッグデータの収集・保存、分析・理解と、その活用に向けて、舞踊のために考案された、身体表現から情動を抽出(推定)する枠組みであるLaban Movement Analysis (LMA)の発展展開をさらに進めた。具体的には、1.LMAの数理モデル構築、2.集団に対応した拡張モデル構築、3.場の状況と認識結果のオープン化を進めた。 1.については、LMAの数理モデル構築においては、モーションキャプチャから得られるデータと、個人の情動等を対応づける作業を、一般的な行動分析研究と同様に進めてきた。また本研究において、ものづくりを対象に、独自にTime, Space, Weightのラバン特徴量を定め、情動抽出における有効性を明らかにした。本年度は、デザイン制作のタスクを対象に、具体的には、認識対象の場で生起しうる情動を体系的に抽出するとともに、対応付けのための推定モデルの構築・改良を進めた。特に、これまでとは異なるタスクに提案手法を適用した場合にも、その手法が有効であることが明らかになった。また、いわば身体動作表情といえるような、情動表出パターンが存在することも明らかになった。 2.の集団に対応した拡張モデルの構築に向けては、引き続き、様々な状況下でのデータ収集を進めた。また、学習の場を対象に、カメラや加速度センサを利用し、多人数から収集したデータをもとに場の理解のためモデル構築・検証、深層学習による推定なども行い、多方面から検討を加えながら研究開発を進めた。 3.の場の状況と認識結果のオープン化に関しては、これまで取得したデータの見直しを進めて、ビッグデータの質に関する基礎的検討を行うとともに、どのようにして取得したデータであるかを公開する手法についての検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要における1.~3.について以下のようにそれぞれ考えている。 1.においては、昨年度提案したモデルの有効性を明らかにするとともに、新しいタスクへの適用可能性を示せた。また、情動の表出に関する新しい知見も得られたことから、当初の計画以上に進展していると考えている。 2.においては、引き続き種々のデータを計測・収集し、そのモデル化も進めており、概ね順調であると判断した。 3.については、やや遅れているものの、研究を進めるなかで必要となる要件を議論した。特に、データを開示するだけではなく、その計測・収集方法についてもオープン化する必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでおおむね順調に進展しているため、方向性を大きく変更する必要はないと考えている。ただ、場の状況と認識結果のオープン化については、引き続き、検討の余地があると考えている。特に、欠損が多いデータは公開しないなど、ビッグデータと質の問題を考慮するとともに、その収集方法についても議論する必要がある。たとえば、欠損が多いデータについてみると、そのデータだけではなく、ビデオで撮影した結果等もあわせて公開することで、そのデータを補完して使うべきか、補完せずに捨てるかの判断を委ねることができるようになる。1.や2.と関連づけながら、今後さらに、この点については議論を深める予定である。
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Remarks |
Michiya Yamamoto Laboratory https://hsi.ksc.kwansei.ac.jp/~yamamoto/
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