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2016 Fiscal Year Annual Research Report

骨格筋における免疫学的微小環境と筋機能

Research Project

Project/Area Number 16H03258
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

池田 真一  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50534898)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 武政 徹  筑波大学, 体育系, 教授 (50236501)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords細胞外マトリックス / 代償性過負荷 / 骨格筋の質
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度では骨格筋の質を規定する分子の探索として運動によって増加する代謝産物/細胞外マトリックスを同定することを目標とした。
上記の目的のために、まずC57BL6Jマウスにいくつかの運動モデル(ランニングホイール、トレッドミル走、代償性過負荷)で増加し、筋萎縮・病態モデル(除神経、不使用、糖尿病)で減少するような分子の探索を網羅的に行い、クラスター解析を実施した。その結果、上記のような変化をするクラスターを見出しそのクラスターには骨格筋での発現が全く報告されていない細胞外マトリックス分子を多数含んでいた。qPCRにて発現変動を確認したところ、運動筋で発現増加/病的筋で発現減少する分子としてLaminin-332が同定された。非常に興味深いことにLaminin-332のレセプターであるインテグリンα6β4もその遺伝子発現量が増加しており、これらのシグナル経路が骨格筋の質を規定していることが推察された。しかしながらこれらの因子の発現レベルは決して高くなかったため、タンパク質レベルでの発現を確認したところ、Laminin-332の構成分子であるlaminin3bは通常筋ではかすかに発現しているが、代償性過負荷によってその発現が爆発的に増加し、除神経によってその発現がほとんど認められなくなった。Laminin-332は上皮組織においての発現が報告されているが骨格筋での発現の報告はなく、またその発現変化の程度の大きさから代償性過負荷による筋肥大/筋再生において重要なはたらきをしていることが考えらえた。また、Lamini-3bの局在を免疫染色にて観察すると、マクロファージの周辺で強いシグナルが観察され、マクロファージの性質を制御しているもしくはマクロファージが産生している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

細胞外マトリックスの探索において、運動だけではなく疾患モデルを併用することで候補分子の同定が非常に効率的にすすめることができた。その結果、骨格筋の質を規定することが考えらえるLaminin-332-integrina6b4経路の同定につながり、またその変化の大きさから極めて重要なはたらきをしている可能性が示され新たな作業仮説の構築につながった。この点においては順調に進んでいる。しかしながら、メタボローム解析は勧めておらず、この点を含めてやや遅れていると考える。

Strategy for Future Research Activity

昨年度見出したLaminin-b3の発現変化に関して、代償性過負荷モデルを使って経時的な発現変化の検証を行う。ウェスタンブロット、qPCRによる発現解析のほかに組織切片を作成し、組織学的変化ならびに免疫染色、FISHによって発現部位および発現細胞の同定を試みる。このとき、Laminin-b3の発現部位の近傍に存在するマクロファージの性質を表面抗原を用いた免疫染色またはマイクロダイセクションによって細胞を単離後シングルセルqPCR法などによって解析する。
上記研究によってLaminin-b3(laminin-332)の重要性がより強固なものとなったら、Laminin-332が骨格筋に含まれる細胞にどのような影響を与えるのかを検討する。具体的にはマウス骨格筋を酵素処理することによって単核細胞を回収する。その細胞を通常のディッシュまたはLaminin-332コーティングしたディッシュのうえで培養し、FACSまたはシングルセルトランスクリプトーム解析にてcell population/cell heterogenityの変化を捉える。
Laminin-b3の筋肥大・筋再生における役割をより強固に検証するため、遺伝子改変動物の作成に着手し、作出しだい遺伝子改変動物に代償性過負荷を施し、筋肥大・筋再生に影響を及ぼすかどうかの検討を加える。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Exercise-induced increase in IL-6 level enhances GLUT4 expression and insulin sensitivity in mouse skeletal muscle2016

    • Author(s)
      1.Shin-ichi Ikeda, Yoshifumi Tamura, Saori Kakehi, Kageumi Takeno, Yoshio Fujitani, Ryuzo Kawamori and Hirotaka Watada
    • Journal Title

      Biochem Biophys Res Commun

      Volume: May 13;473(4) Pages: 947-952

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.03.159

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] マウス近視強膜における 細胞生物学的変化2017

    • Author(s)
      池田真一、栗原俊英、姜効炎、坪田一男
    • Organizer
      第21回眼科分子生物学研究会
    • Place of Presentation
      湯田温泉ホテルかめ福(山口県湯田市)
    • Year and Date
      2017-03-11 – 2017-03-12
  • [Presentation] 高濃度AHLによる細胞死はPKCdeltaとcaspase-3の相互作用によって生じる2016

    • Author(s)
      池田真一、峰松健夫、仲上豪二郎、真田弘美
    • Organizer
      第46回日本創傷治癒学会
    • Place of Presentation
      東京大学(東京都文京区)
    • Year and Date
      2016-12-09 – 2016-12-10

URL: 

Published: 2018-12-17  

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