2018 Fiscal Year Annual Research Report
東京大学の学生の過去50年の体力測定データを活用したヒストリカルコホート研究
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16H03259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八田 秀雄 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60208535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 亨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00642290)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体力 / 健康行動 / 非感染性疾患 / メンタルヘルス / 社会的成功 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、1961年から2015年に大学1年時の体育授業で体力テスト(垂直跳び、反復横跳び、腕立て伏せ、踏み台昇降の4項目)を受けた東京大学出身者を対象に、現在の健康や疾病、社会活動に関する追跡調査をおこなった。その追跡調査に回答した者のうち、希望者に三軸加速度センサを内蔵する活動量計(HJA-750C、オムロンヘルスケア社)を送付した。結果として、追跡調査には約5500人が回答し、活動量調査には約2200人の希望があった。予備的な解析では、在学時の体力が高い人ほど、その後にメンタル不調の診断を受けるリスクが低いこと、性・年代別の年収が高い傾向にあることが分かった。今後は、データクリーニングや欠測処理を進め、より詳細な疫学解析をおこない、論文および学会発表での成果発信を進める予定である。また、他のアウトカム(健康行動、生活習慣病、サルコペニア、ロコモティブシンドローム等)との関連も検証する予定である。本研究は、過去の体力とその後の健康、疾病、社会活動にかかる様々なアウトカムを長期間の追跡を伴って、大規模に検証することができる点が強みである。このようなデータは世界的にも稀であり、学術的な価値が極めて高い。ここから、青年期に体力を維持向上することが、中高齢期における活動的なライフスタイルにつながるか否かを検証でき、もしこの仮説が支持されれば、青年期に体力を良好に維持することの重要性や大学をはじめ体育授業の重要性をを社会に発信することにつながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画よりも多い5000人以上のデータが収集できており、性、年代別など詳細な層別解析が実施できることから、「(1)当初の計画以上に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年前半にはデータの整理が完了する予定であり、後半にかけて論文および学会発表により成果発表を積極的に進める予定である。なお、2019年9月に茨城県つくば市で開催される第74回日本体力医学会大会にて、本研究や国内の類似研究の成果を紹介するシンポジウムを企画し、採択されている。
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