2017 Fiscal Year Annual Research Report
出生コホート研究によるアレルギー疾患の遺伝環境要因の解明
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16H03269
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 随象 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70727411)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GWAS / 出生コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー疾患は、複数の遺伝要因と環境要因が複雑に関わって発症する多因子性疾患である。本研究では出生前からの詳細なデータが利用可能な出生コホートサンプルである成育コホート研究の参加者を対象として、数十万万SNPの遺伝子型を決定し、アレルギー疾患(喘鳴、湿疹、鼻炎、食物アレルギー、花粉症など)ならびに中間形質(特異IgE抗体陽性、総IgE値等)との関連解析を行う。さらに環境要因と遺伝子型の相互作用解析による環境要因を含めた疾患発症の解析、疾患予測モデルの開発を行うことを目的としている。 平成29年度は、本研究のコホートに最適なタイピングプラットフォームを選定することを目的として、東アジア人9000人の全ゲノムシークエンスに基づいて設計されたAsian Screening Array (illumina)を使用して96人の遺伝子型決定を行った。GenomeStudio version 2.0を用いて得られた遺伝子型についてはPLINKソフトウェア(Purcell S et al.,2007) を使用して、解析を行った。遺伝子型決定率の平均は、98.7%以上と良好であった。常染色体の遺伝子多型うち、minor allele frequency (MAF) > 1%のものは558048個(84.7%)であった。皮膚の保湿成分であるフィラグリンの機能喪失変異はアトピー性皮膚炎、食物アレルギーとの関連が示されている。ASAアレイに搭載されているFLGの機能喪失変異の一部(S2554X,S3296X,L4022X)について別の手法でタイピングされた結果との比較したところ、96サンプルの検討と少ないサンプルサイズではあるが、結果は全て一致していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本研究の遺伝子型決定プラットフォームの選定は平成29年度内に終了した。次年度前半ですべてのサンプルの遺伝子型決定を行うための準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に選定した遺伝子型決定プラットフォームを使用して、平成30年度前半ですべてのコホートサンプルの遺伝子型決定を行い、後半で主にアレルギー疾患との関連解析を行う。
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Research Products
(1 results)