2016 Fiscal Year Annual Research Report
貧困はどのように子どもの健康を蝕むのか?媒介要因の解明と子どもの貧困対策の開発
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16H03276
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / ベジファースト / 子どもの健康 / 肥満 / 睡眠 / 問題行動 / レジリエンス / 虫歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における子どもの貧困の実態とそれがもたらす健康や学力への影響について、その媒介要因はほとんど明らかになっていない。本研究の目的は、その悉皆調査を前向きに追跡し健康状態や学力を評価し、修正可能な要因である栄養状態および非認知能力が媒介しているという仮説を検証することである。 平成28年度は、悉皆調査のコホートである小学校2年生の5,351人に質問票を配付し、4、583人から回答票を回収し、このうち調査への同意が得られなかった者と回答票が白紙であった者を除いた4,358人(有効回答率81.4%)を分析対象者とした。さらにサブコホートとして小学校4年生は616人を対象に質問紙を配布し、534人から有効回答を得た(有効回答率86.7%)。小学校6年生は623人を対象に質問紙を配布し、530人から有効回答を得た(有効回答率85.1%)。さらに中学校2年生は755人を対象に質問紙を配布し、588人から有効回答を得た(有効回答率77.9%)。 生活困難世帯を年収300万未満、子どもの生活必需品の非所有、ライフライン等の支払い困難経験で定義したところ、小2で1040世帯(23.9%)、小4で147世帯(27.5%)、小6で135世帯(25.5%)、中2で177世帯(30.1%)が該当した。生活困難世帯と非生活困難世帯では、生活習慣および健康の様々な面において差が見られた。 これらの結果は足立区の子どもの健康・生活実態調査報告書としてまとめられ、ホームページで公開することにより社会還元することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
足立区における質問紙調査は順調に進んでいる。生体試料については学校での実施が困難であったため、卒後に実施するように計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も足立区での調査を小4の悉皆、小6、中2のサブサンプルにおいて実施する。平成28年度の調査からの縦断調査となるので、縦断データとして解析を行う。論文執筆も精力的に進める。
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