2017 Fiscal Year Annual Research Report
General Research on Cross-Border Migrations related to conflicts in Middle East
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16H03307
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高岡 豊 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (10638711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱中 新吾 龍谷大学, 法学部, 教授 (40344783)
今井 宏平 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究員 (70727130)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 越境移動 / 移民 / 難民 / 中東 / シリア / イラク / パレスチナ / 紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
トルコ在住のシリア人難民を対象とした世論調査を実施し、その結果を分析した成果をイスタンブル市のボアジチ大学にて開催されたワークショップでトルコの研究者らと共有した。世論調査はイスタンブル市在住の調査機関INFACTOと提携して実施し、9月までに予備調査、の上質問票を確定させ、10月~11月にトルコ国内の7県で812人を対象に本調査を行った。調査結果は12月に受領し、これを基にした分析を2月にボアジチ大学で開催されたワークショップで発表した。これに合わせて、トルコのイズミル市での現地調査を実施し、2015年のEU諸国における「難民危機」を経た現地の情勢や、イズミル市内のシリア人集住地域の調査を行った。 また、平成28年度に実施したスウェーデン在住のシリア人、イラク人、パレスチナ人に対する聞き取り調査、世論調査の結果を、トルコ在住シリア人に対する調査をはじめとする中東諸国での調査結果との比較に活用し、国際人類学・民俗学会連合中東人類学・文化人類学部会などで学会報告を行った。スウェーデンとトルコにおける世論調査については、29年度中に質問票と単純集計の日本語版、英語版を完成させ、インターネットを通じて公開した。 これらに加え、イスラーム過激派の越境移動やイラクの政情についての調査と資料収集を進め、論考を発表した。論考の一部は英文化し、インターネットを用いて国際的に発信する準備作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りトルコ在住シリア人難民を対象とする世論調査を実施した。 トルコでの世論調査の結果とその分析は、当初日本国内での学会報告、論文投稿などの形で発表することを目標としていたが、調査準備の過程でトルコの研究者が強い関心を示した。このため、ボアジチ大学で先方がワークショップを主催し、トルコの研究者や大学院の学生を対象に調査について報告し、成果を共有することができた。また、ワークショップ開催に至る過程で、スウェーデンでの調査など、これまでの調査の成果や関連の論考を英文化し、本事業の紹介として配布した。ワークショップの開催により、国際的な成果の発信とネットワークの構築の面で、当初計画した以上の成果が上がった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでに実施したスウェーデンでの調査、トルコでの調査などを基に、国際的に成果を発信することに注力する。具体的には、ヨーロッパ社会科学歴史会議(ESSHC 於:ベルファスト)、国際政治学会(IPSA 於:ブリスベン)で報告を行う予定である。日本国内においても、日本中東学会などの場で世論調査を活用した研究の推進についての議論に参加し、調査の手法・方法論の面でも学術的な貢献を果たすことを目指す。 なお、学術誌への投稿を中心に論文の発表にも努め、その成果は随時英文化して国際的にも発信に努める。
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Research Products
(19 results)