2017 Fiscal Year Annual Research Report
「信頼」概念に関する国際比較研究:応用倫理・実験哲学的アプローチ
Project/Area Number |
16H03345
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 雅彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (50200001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦名 定道 京都大学, 文学研究科, 教授 (20201890)
出口 康夫 京都大学, 文学研究科, 教授 (20314073)
海田 大輔 京都大学, 文学研究科, 講師 (40649133)
Lindberg Stig 京都大学, 文学研究科, 助教 (40761531)
唐沢 かおり 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50249348)
笠木 雅史 名古屋大学, 教養教育院, 特任准教授 (60713576)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80372366)
小山 虎 山口大学, 時間学研究所, 講師(テニュアトラック) (80600519)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 信頼 / 実験哲学 / 哲学 / 倫理学 / 心理学 / 応用倫理 / 宗教哲学 / 社会心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代社会における「信頼」概念が果たす役割について、哲学、倫理学、心理学などの複数領域の立場から横断的に検討を行い、よりよい信頼理解が人々のよき生に向けて果たしうる役割について提言することを目指す。このため以下の三グループに分けてそれぞれ研究活動を行なった。グループA) 信頼の規範理論的分析を通じた信頼概念の包括的理解、グループB) 信頼の思想史・宗教的分析による文化による違いの検討、グループC) 実験哲学の手法にもとづく信頼の実証的分析。 2018年度においては、各グループのこれまでのサーベイや研究成果を基に、下記の通り成果を論文や学会報告等で発信した。特にグループA)では「ロボット、信頼、不信頼 」(笠木雅史、第36回日本ロボット学会学術講演会、2018年)、グループB)信頼の思想史・歴史的研究では『東アジア・キリスト教研究とその射程 無教会キリスト教を中心に』(芦名定道著、2019年、三恵社)を、またグループC)信頼の実証的研究では『信頼を考える:リヴァイアサンから人工知能まで』(小山虎編、2018年、勁草書房)等を上梓した。加えて、研究プロジェクト全体の成果報告の場として2019年3月に信頼概念に通暁する倫理学者と社会心理学者を招へいし、公開シンポジウムを京都大学で開催し、識者をはじめ一般市民との意見交換や情報発信を行った。これらを通じて社会に対して本研究の信頼概念に関する検討結果を問うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度内に台湾および欧州での信頼概念についての調査を行い、その結果を分析し論文を執筆する予定であったが、調査研究の準備段階で概念整理の不備が露呈し、研究を予定通りに進行させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な研究体制や海外派遣、文献のサーベイなどは前年度と同様とする。各研究グループおよび研究計画全体での成果発表も同様に実施する。今年度は、前年度に到達できなかったグループC)の海外での調査と分析を実施し、信頼概念の文化比較研究の達成を目指す。
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Research Products
(21 results)