2016 Fiscal Year Annual Research Report
確率共鳴理論と集合的記憶概念の接続の試み:身体現象を指標として
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16H03360
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 靖子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70262483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 英樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)
大平 徹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20543474)
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 集合的記憶 / 確率共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度には研究会を、公開として分担者以外の研究者や院生らにも参加を呼びかけ、計五回の開催した。まず第一回には、このプロジェクトの趣旨の確認と研究の進め方、研究テーマの射程について話し合い、年間のスケジュールなどを策定した。第二回には、他大学の心理学関係の研究者との合同研究会とし、集合的記憶概念の成立した背景やその後の受容などを代表者から説明し、そもそもこの企画の趣旨を改めて確認しつつ、今後の研究計画について話し合った。そして分担者からは、確率共鳴理論について、この理論が置かれている縁やその応用の可能性の射程などについて、報告があり、それを元に、人文学、応用数学、心理学、科学哲学の分野におけるリンク点を探った。第三回には、他大学の研究者と合同の研究会を開催し、第二回の研究会における議論に対する補遺と、生理心理学における確率共鳴理論の応用可能性と説明力についての報告があった。それらをうけて、メンバーそれぞれがこの間の展開を報告した。第四回の研究会には、院生たち若手研究者の参加を呼びかけ、応用数学で生まれた確率共鳴という概念が人文学やそれ以外の分野でいかに幅広く応用可能かを議論した上で、集合的記憶という概念との接点について論じた。また、こうした議論は、人工知能の展開など来るべき社会に向けて、集合的記憶の概念がどのように有効でありうるかを考える足がかりとなった。それ以外にも、メールにて、互の研究成果や知見などを交換し合い、メンバーがそれぞれに研究成果をまとめ、発表した。代表者としては、シンポジウムでの口頭発表、雑誌論文として成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の計画通り、研究会を開催し、それと併行して、メンバーがこのテーマに関連してそれぞれ成果を発表することができた。また、その都度、これらの情報を交換し合い、研究会開催時以外にも、さまざまな知見を共有することができた。この一年間の議論を経て、既に当初の計画以上に、互いの研究とプロジェクトの問題設定に対する理解が深まり、予想以上に共同研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、まずは定期的に研究会を開催し、メンバーそれぞれが一度ずつ主題設定を担当して、必要に応じてメンバー以外の講師を招聘し、さらに知見を深める。これらはそれぞれに己の研究に活かし、成果を共有し合うことによってさらに、共通テーマを絞っていく。
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Research Products
(10 results)