2017 Fiscal Year Annual Research Report
状況のアーキテクチャーへ:相互行為が生み出す共有の場の芸術
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16H03368
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
鷲田 清一 京都市立芸術大学, その他部局等, 学長 (50121900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 幸輔 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 講師 (20774235)
高橋 悟 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (30515515)
篠原 資明 京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (60135499)
藤田 瑞穂 京都市立芸術大学, その他部局等, 学芸員 (60771003)
佐藤 知久 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 准教授 (70388213)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体相互行為 / ダンス / 身体 / デモンストレーション / 障害 / 現代芸術 / 建築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アートを介した相互行為について、身体や個の表現からでなく、集団やコミュニケーションの視点から接近する事に重点を置いた。その為に、「アホーダンス」という旅芸人の一座のような造語をキーワードに使用することにした。そこには、ヒトが他者や環境を「妙なフルマイ」で誘惑すること、立ち止まり、列を離れ、市場原理や効率化に包摂されることのない無根拠なフルマイの連鎖を生むという意味が込められている。それはまた、当事者として所属する現場から抜け出て、各人があらゆる異なった立場の視点から考えることを促す思考実験でもある。ひとりよがりのアートが、自律や健常への方向づけではなく、共に居ることを仕事とする「ケア」と出会うことで、「アートは誰のものか?」という不可避の問いを経て「生きたアート」の探求へと発展することを期待しての事である。さらにまた、アートという不可解な謎が、ケアの仕事にたずさわる方々に、「もう一つ」の迂回方法を問いかけることになった。ここでのコミュニケーションとは、ミスコミュニケーション、ディスコミュニケーション、対立、放置、離脱をも含んだ集団行為である。着地点を設けず、試行錯誤を続けながらもワークショップを研究者、アーティスト、ケアスタッフ、障害を有するメンバーらと進めた。その過程で、障害メンバーが主役となれる場さえできれば、失敗も成功もなく、それで良いという意識が芽生えた。今回の試みは、障害を同一のものさしで測ることで多様な生の在り方を既存のタイプに包摂してしまう圧力や、作品行為を個人に還元してしまうことで他者や環境とつながる当事者達の「生の文脈」を排除することへの抵抗としての批評行為であったように思う。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)