2017 Fiscal Year Annual Research Report
隣接諸科学乗り入れ型の手法による音韻理論の外的・内的検証の研究
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16H03427
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡崎 正男 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30233315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40262919)
西村 康平 いわき明星大学, 教養学部, 准教授 (30588520)
上田 功 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (50176583)
時崎 久夫 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (20211394)
本間 猛 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (30241045)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 音韻理論 / 音韻表示 / 音韻構造 / 普遍的制約 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)関連書籍の充実による研究動向の把握と論点の明確化が達成された。(平成29年度研究実施計画(以下、研究計画)(1))研究動向の把握と論点の明確化は、平成30年3月26日と27日に山口大学で開催された本研究課題の研究成果発表会においてなされた。岡崎正男、田中伸一、西村康平、時崎久夫、本間猛の5名と、研究協力者の田端敏幸、平成30年度から分担者に予定されている太田聡、の合計7名が参加した。各自の研究分担に従い平成29年度の研究成果を発表し、討論した。とくに生物言語学との関連についての田中の研究発表が言語進化と音韻理論の関連性を考察し、これからの音韻理論のあるべき姿の一例の大枠を提示した研究発表で、興味深いものであった。(研究計画(6)) (2)東京音韻論研究会を、5月、7月、9月、10月、12月に開催し、研究情報の収集と発信ができた。同時に本課題の研究の進展状況の確認を行った。(研究計画(2)と(4))1月に開催に開催することができなかったが、3月の研究成果発表会によって1月不開催の分の遅れを十分に補うことができたと判断される。 (3)海外の研究者を講演者として招聘し、講演を通して研究成果を吸収し、意見交換を行った。具体的には、日本音韻論学会主催の音韻論フォーラム(平成29年8月23日~25日に首都大学東京にて開催)に協力する形で、次の4名を招へいした。大韓民国から、安英蘭氏 (KC 大学准教授)と 柳惠倍氏 (仁川大学教授)の2名。カナダから、Bezarel E. Dresher氏(トロント大学名誉教授とKeren Rice氏(トロント大学教授)の2名。(研究計画(3)) (4)代表者と分担者が著書、論文の出版、招待講演、研究発表を行った。著書4件(4件とも分担執筆)、論文13件(うち査読付9件)、研究発表29件(うち招待講演6件、国際学会発表5件)の成果があった。(詳細は、10.研究発表(平成29年度の研究成果)を参照。)(研究計画(5))
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年4月に提出した研究実施計画に記されている6項目の目標がほぼ達成されていると判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り、最初の2年間で研究動向の調査が終了したので、平成30年度から平成32年度の3年間は、代表者と分担者の研究成果の発信に焦点を移す。具体的な研究活動の推進方策は、次のとおり。 (1) 国内外の学術雑誌への論文の投稿と、国内外の学会の研究発表への応募を通して、研究成果を発信する。 (2) 研究成果発信の基盤として、活動の一環である東京音韻論研究会を、これまでどおり開催する。5月、7月、9月、10月、12月、1月に開催予定。 (3) 国内外の研究者を講演者として招聘し、研究成果を吸収するとともに、意見交換を行う。平成30年度は、超惠仙氏(大韓民国壇国大学助教授)、呉恩惠氏(大韓民国建国大学准教授)、Tobias Scheer氏(フランス共和国コートダジュール大学教授)、Christian Uffmann氏(ドイツ連邦共和国ハインリッヒ・ハイネ大学教授)の4名の研究者を講演者として招聘する予定である。同様に、平成31年度と平成32年度も、海外から4名の研究者を講演者として招聘する予定である。 (4) 研究成果報告書(冊子体)の作成と研究成果発表会の開催。いずれも年度末。
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Remarks |
研究成果発表会発表題目:岡崎「句レベルの強勢移動からみる英語の強勢体系の歴史変化」 、田中「言語起源をめぐる仮説の類型的検証:音節類型の場合」、西村「音韻バリエーションと語の同一性について」 、時崎「全体的類型論による日本語の韻律分析」 、本間「言葉遊びの音韻論」 、田端(研究協力者) 「母音弱化の類型」 、太田(平成30年度からの分担者)「複合語アクセントに関するいくつかの問題」
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Research Products
(46 results)