2016 Fiscal Year Annual Research Report
入学試験や定期考査に利用できる英語スピーキングテストシステム構築のための指針策定
Project/Area Number |
16H03448
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽藤 由美 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (50264677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神澤 克徳 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 助教 (00747024)
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
光永 悠彦 島根大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70742295)
桝田 秀夫 京都工芸繊維大学, 情報科学センター, 教授 (90304063)
坪田 康 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (50362421)
竹井 智子 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (50340899)
ヒーリ サンドラ 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (10460669)
森 真幸 京都工芸繊維大学, 情報科学センター, 助教 (90528267)
内村 浩 京都工芸繊維大学, アドミッションセンター, 教授 (90379074)
山本 以和子 京都工芸繊維大学, アドミッションセンター, 准教授 (90293521)
伊藤 薫 京都工芸繊維大学, KIT男女共同参画推進センター, 研究支援員 (30769394) [Withdrawn]
永井 孝幸 京都工芸繊維大学, 情報科学センター, 准教授 (00341074)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スピーキングテスト / リンガフランカ / CBT / 大学入試 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校・大学等が入試や定期考査において,それぞれの教育目標,選考(評定)基準,受験環境などに応じた英語スピーキングテストを開発・実施するためのガイドラインを策定することを目標として,以下の(1)~(3)を完遂した。 (1)京都工芸繊維大学が独自に開発し,学内で定期実施しているコンピュータ方式(CBT)の英語スピーキングテストシステム(毎年約700名が受験)を,信頼性の向上,公平性の担保などに向けて改善し,2017年12月実施の同大学AO入試に導入する準備を整えた。また,このスピーキングテストの趣旨や内容を,受験生等に紹介するための動画を作成した。 (2)2016年4月開校の京都市立京都工学院高校において,フロンティア理数科1年生(2クラス62名)が履修する必修科目「英語表現 I」の1~3学期末定期考査の一環として,生徒とフィリピン在住の面接官(兼: 採点者)をスカイプで結ぶインタビュー方式のスピーキングテストを実施した。 (3)上記(1)(2)の実績をプロジェクトのホームページを通して広く社会に公開するとともに,実績から得た各種データ(回答音声,スコア,受験者および採点者へのアンケート調査の結果等)の分析に基づく研究成果を,国内外の学会およびジャーナルで発表した。たとえば,IATEFL国際大会(4月/英国バーミンガム)では,リンガフランカとしての英語運用能力を測る試みの進捗状況と波及効果について,日本テスト学会第14回大会(9月/調布市)では,スコアのIRT(項目応答理論)分析に基づく評定基準の改善に向けた考察について,SIGUCCS_ACM年次大会(11月米国デンバー)では,大学の情報演習室を利用したCBTにおいて入試に求められる公平性や機密性を担保しながら,大量の音声回答を確実に回収する方法について,研究発表をした。また,これらを研究論文としても発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
入試導入に向けたCBT方式英語スピーキングテストの改善,および,高校の定期考査におけるスカイプ等のビデオフォンシステムを利用したインタビューテストシステムの構築は当初の予定どおりに進んでおり,大きな問題は見当たらない。これらの実績に基づき,英語教育関連の学会(誌)ではリンガフランカとしての英語運用能力測定に関する研究成果を,テスト理論関連の学会(誌)ではIRT等の統計分析に基づく研究成果を,また,情報関連の学会(誌)ではCBTの管理運用に関する研究成果を,それぞれの分野を専門とするメンバーが主となって発表しており,広範な分野において成果発表ができた。特に,2016年9月開催の日本テスト学会第14回大会における研究発表「大学・大学院入試に向けた英語スピーキングテストの尺度化事例―受験者特性と評価者属性を考慮したモデルによる検討」については,「大会発表賞」を受賞することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・京都工芸繊維大学におけるCBT英語スピーキングテストの入試導入と持続的改善に向けた研究について: これまでの試行錯誤を通して確立したシステムを,2017年12月2日実施のグローバルAO入試に導入する。安定性やセキュリティーを担保しながら大容量の回答音声データを確実に回収するシステムの構築,テストの継続に伴って蓄積されたスコアデータのIRT分析に基づく評価観点や評定基準の最適化など,既に大方の準備は整えたので,今後は,公平性の担保や徹底したリスク管理のためのマニュアル作成を進める。また,同時期(2017年12月16日)に実施する1年次生全員(約700名)を対象とする第4回CBTスピーキングテストを円滑に実施し,テストシステムのさらなる改善を図る。 ・京都工学院高校におけるスカイプを利用したインタビューテストシステムについて: 本研究は,QQ English(フィリピンに拠点を置くオンラインの英会話レッスン提供会社)との共同研究として進めている。上記高校の定期考査におけるスカイプを利用したインタビューテストの安定実施に向けたシステム開発は2016年度中に完了したので,2017年度はシステム全般を改善しながら,導入の成果を検証する。具体的には,IRT分析によるテスト性能の検証と併せて,スピーキングテストとAnxiety(Young,1986)や Willingness to Communicate(McCroskey,1992)との関係,英語ユーザーとしての自覚,テストへの心的抵抗などの観点から,導入の効果を明らかにする。 ・ガイドライン作成の準備開始: これまでの研究実績に基づいて,学校や大学が入試や定期考査等において,目的やニーズに適ったスピーキングテストを開発・実施する際の手順や留意点,費用などに関する具体的な情報をまとめたガイドラインを作成し出版する準備を始める。
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Remarks |
2016年12月25日「日本テスト学会大会発表賞」受賞(第14回大会における研究発表「大学・大学院入試に向けた英語スピーキングテストの尺度化事例―受験者特性と評価者属性を考慮したモデルによる検討」による受賞)
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Research Products
(12 results)