2019 Fiscal Year Annual Research Report
Compiling a production-oriented legal English dictionary for the Japanese based on corpus linguistics
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16H03458
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鳥飼 慎一郎 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (90180207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溜箭 将之 立教大学, 法学部, 教授 (70323623)
高橋 脩一 専修大学, 法学部, 准教授 (80749614)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 司法英語 / 活用発信型辞書 / コーパス言語学 / 英米法 / アメリカ判例 / イギリス判例 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度も活用発信型の司法英語辞書の編集に向けて具体的な作業が大きく進展した年であった。既に完成している3,000万語の司法英語コーパスを駆使し、日本人学習者に取って障害となるべき語彙・表現事項、司法英語を正しく理解し発信できるようなるための語彙・表現項目を以下の4つのカテゴリーに分類した。1.専門用語を導入するためのフレーズ(例:in the course of, in favor ofなど)、2.専門用語を導入するための基本動詞(例:bring, hold, enterなど)、3.一般語義と司法語義が異なる語(例:act, answer, amountなど)、4.司法英語独特の類義語(例:illegalとunlawfulなど) これら4つのカテゴリーに分類された辞書項目の中から本プロジェクトが完成を目指している活用発信型の司法英語辞書で取り上げるべき掲載項目として「プロジェクト単語表現項目第1弾」を確定した。それらの辞書項目を、より基本的で司法英語の根幹をなす第1群(基本動詞22語、基本名詞38語、基本熟語6表現)と、それらを発展させたものとしての第2群(動詞37表現、名詞20語、形容詞14語、熟語8表現)に大別し、レベルの異なる日本人司法英語学習者にも対応できるようにした。 出版社の編集スタッフを交えた編集会議も毎月開催され、出版に向けての具体的な辞書項目の書き方、形式、取り上げるべき情報とその提示の仕方などについても話し合いが進んでおり、具体的な辞書の形が見え始めてきた。それに合わせ、研究代表者と分担者の役割分担もより明確になってきた。幸いにも新たに2名の新進気鋭の英米法の研究者が本プロジェクトに参加してくれることになり、最近の編集会議は、各自が執筆した辞書項目を持ち寄り、それを基に出版社のスタッフも交えて活発な議論ができるようになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通り順調に進んでいると言ってよい。その理由としては、プロジェクトのメンバーと出版社のスタッフが熱心なことである。各自が活用発信型の司法英語辞書を完成するために、自分ができることを率先して行い、それがメンバー内によい相乗効果を生んでいる。辞書編集には膨大な時間とエネルギーが必要であることを強く認識し、新たに新進気鋭の英米法の若手研究者を2名リクルートしたのも、辞書の完成を強く意識した表れである。 プロジェクトが進行するにつれ、プロジェクト全体で、何をいつまでにどういう方法なりフォーマットで完成させなければならないのかを各自が認識し、そのために個々人が何をすればいいのかが明確になってきたことも、プロジェクトが順調に進んで切ることに大きく寄与している理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクトメンバーそれぞれが、自分たちが担当する辞書項目を確実に執筆することである。第1原稿を完成させた段階で、全体の分量の調整と統一性を確保する必要が出てくるであろう。本プロジェクトで完成を目指している司法英語辞書は、一般の英語辞書あるいは英米法の専門辞書とは違う、真に活用発信型を目指した司法英語辞書であり、あくまでも日本人学習者が司法英語を使うということができるようになることを目的とした辞書である。その目的を達成するためには、どのよな項目なり情報なりをどのような形式にして組み込むべきかを改めて議論する必要がでてくるであろう。その過程において、学部生や大学院生に対してアンケート調査なり、モニタリングなりを依頼し、彼らにとって使える役に立つ辞書であるかどうかを調査する必要も出てくるであろう。User-friendlyな辞書に仕上げることが、今後の本プロジェクトチームに課された大きな課題である。
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Research Products
(6 results)