2016 Fiscal Year Annual Research Report
“帝国”周縁部における国勢調査・人口調査の比較研究
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16H03462
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中見 立夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 名誉教授 (20134752)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国勢調査 / 人口調査 / ロシア帝国 / 清朝 / モンゴルの人口 / 民族統計 / 帝国の周縁 / 国民形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題実施の初年度に当たり、平成28年8月にモンゴル国ウラーンバートルで開催された国際モンゴル学会に青木雅浩、広川佐保等、研究計画参加者の多くが出席し、研究題目に関わる学術報告をし、とくに研究代表者、中見立夫は研究課題に関する公開講演をおこない、あわせて科研研究課題に協力をえているモンゴル科学アカデミー歴史学研究所で学術交流をおこない、また庁舎新設移転のため長期閉館していていたが、再開されたモンゴル国立歴史中央アルヒーフにおいて、18-19世紀のモンゴル人口調査に関する文書史料を閲覧した。さらに平成29年7月にも繰り越し経費でモンゴルに赴き史料の追加調査をおこなうとともに、ロシアにおける史料共同調査に関し協議した。 平成29年秋には来日したモンゴル科学アカデミー歴史学研究所チョローン所長と研究会(於東洋文庫)をおこない、今後の共同研究に関して協議した。平成29年9月には今回の科研申請で史料調査の点で最も重視していたロシア外務省アルヒーフ(略称AVPRII、モスクワ)が建物改修のため閉館、史料公開を中止していたが、改修工事が終了し、文書公開を再開したので、研究費を繰り越し申請し承認をうけたので、提携関係にあるモンゴル科学アカデミーおよびロシア科学アカデミー東洋学研究所の後援をえて研究代表者、中見立夫がモスクワに赴き、約1ケ月滞在し、史料を閲覧・調査することができた。 このようにして、研究題目に関する具体的データ(清朝時代のモンゴル、ロシア帝国のモンゴル人等の区域に関し、およびロシア帝国による内陸アジアの人口調査)をえることができた。そのデータの分析もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究課題研究実施において史料調査の面で最も重視していたモンゴル国立歴史中央アルヒーフ(ウラーンバートル)およびロシア外務省アルヒーフ(モスクワ)が、いずれも建物移転などの理由により史料閲覧を停止していたが、予定より遅れたが再開されそのため研究活動の進捗が遅くなったが、研究費の繰り越しも承認され、ロシア外務省アルヒーフにおいても史料調査活動が可能となった。これらの文書館における調査は日本人研究者によりほとんどおこなわれていないので意味のあるものであったが、先方側の事情とはいえ、活動開始時期が遅れたのが、研究計画全体の進捗にも影響をあたえた。
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Strategy for Future Research Activity |
史料面では、ロシアおよびモンゴル国における文書館での人口調査関係データの収集と分析を継続しておこなう、ただ保管されている文書資料の量が膨大であり、効果的に調査をおこない、調査結果の集約化も課題も課題であり、ロシアおよびモンゴルの研究者とも連携・協力し研究をすることが重要となってきている。そのためには、研究実施期間内に相互の研究調査成果を確認し、今後の共同研究の在り方をさぐる研究集会の開催を検討することが重要となってきている。
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