2016 Fiscal Year Annual Research Report
朝鮮環境史の創成にむけた河川の管理・利用に関する総合的研究
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16H03486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
六反田 豊 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40220818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮太 立命館大学, 経営学部, 教授 (00363416)
早川 貞三 福岡大学, 人文学部, 教授 (40267703)
森平 雅彦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (50345245)
長森 美信 天理大学, 国際学部, 准教授 (50412135)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 朝鮮史 / 水環境 / 河川 / 水運 / 治水 / 利水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、朝鮮半島における河川の管理・利用をめぐる歴史的諸事象を、朝鮮時代から日本の植民地期まで(14世紀末~20世紀前半)を対象にして環境史的な視角から考察することにある。具体的には、①交通・運輸、②治水・利水、③資源利用、④景観・空間利用といった4つのテーマからの接近を試みる。このような目的を達成すべく、初年度に当たる2016年度は以下のような研究活動をおこなった。 (1)2016年6月に九州大学(福岡市)にて研究打合せ会議を開催し、これまでの研究状況と今後の課題についての理解を共有し、今後の具体的な研究方向と研究計画を確認した。 (2)韓国での現地調査を2回実施した。初回は2016年9月にる漢江流域においておこなった。主要な調査地は京畿道の広州・驪州を経て江原道の原州・横城におよぶ一帯であり、①南漢江中流部、②同江と北漢江の合流部、③漢江支流の蟾江の流域に相当する。上記の①のテーマを中心とし、当該地域における水運拠点、渡船場および河港の跡地などを確認したほか、周辺住民からの聴き取り調査を実施した。2回目の調査は、上記の②のテーマを重点的に取り扱うことにし、韓国の大規模河川のなかでとくに農業水利の面で先行研究もあり、また多くの関連史跡が残る錦江・万頃江流域を調査地とした。調査は2017年3月に実施し、全羅北道の井邑・益山一帯から忠清南道の論山・扶余にかけての地域において、朝鮮時代から植民地期に至る農業水利関係の史跡を確認し、また韓国農漁村公社東津支社や江景歴史館などで関係者から聴き取り調査をおこなった。これら両調査では、関連する文献類の収集にも努めた。 (3)上述のように現地調査を通じて朝鮮の河川環境史に関する文献や資料類の収集を実施したほか、『朝鮮王朝実録』をはじめとする各種文献類から関連史料の抽出と収集をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の計画どおり、韓国での現地調査を2回実施するとともに、朝鮮河川環境史に関する文献や資料類の収集をおこなうことができた。またデータベース構築に向けて、各種文献類から関連史料を抽出し収集する作業も順調に進んだ。国内での研究会が年度初めの1回しか開催できなかったのは遺憾であったが、この点を補うため、研究代表者および分担者相互間の連絡を緊密におこない、研究情報の共有に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度以降も、2016年度同様、韓国での現地調査と国内での研究会開催を軸にしながら、関連資料・文献類の収集と、データベース構築に向けての史料収集を進めていく。
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Research Products
(7 results)