2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Social History of the "Blue Vienna": A Critical Approach for Globalisation from "below"
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16H03500
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水野 博子 明治大学, 文学部, 専任教授 (20335392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 弘明 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (20211823)
木村 真 日本女子大学, 文学部, 研究員 (20302820)
江口 布由子 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (20531619)
古川 高子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (90463926)
藤井 欣子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (30643168)
鈴木 珠美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20641236)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウィーン / 青いウィーン / ジェントリフィケーション / 移民 / 難民 / 旧ユーゴスラヴィア / ブルガリア |
Outline of Annual Research Achievements |
18年度は、昨年度までの予備調査をベースにさらに現地調査を進めた。 1. ウィーンに定住化した「移民的背景を持つ人びと」に関する海外現地調査を行い、インフォーマントへのインタビュー及び関連する文献を調査した。まず、柴田暖子が2018年8月14日~8月25日に、1999年に起きたナイジェリア人難民変死事件に関する文献調査と、アフリカ系移民とオーストリア市民とが集うイベント「アフリカの日」の取材を行った。木村真は2018年8月25日-9月1日、2019年2月15日-2月18日の二度にわたり、ウィーン郊外にて花栽培経営の現場を訪れ、経営者、労働者に観察調査、聞き取り調査を実施した。また2月22日-2月26日、ソフィアにおいて文献調査を実施するとともに、ヴェリコタルノヴォ周辺の村落でウィーンへの出稼ぎ労働の経験者に聞き取り調査を実施した。古川高子は2019年3月2日‐3月8日および3月19日‐29日の両日程において、ウィーン市のジェントリフィケーションに関する実地調査を行った。山崎信一と水野博子は、2019年3月にウィーンおよびブルゲンラントでの調査を共同で取り組み、多様なバックグラウンドの旧ユーゴスラヴィア系インフォーマントの生活実態に関する調査を行なった。 2.高知高専にて2018年11月17日(土)~18日(日)にかけて研究会を実施した。17日は日本の自由主義に関する調査のため高知市立自由民権記念館を訪れた。18日は小沢弘明が「新自由主義のウィーンを歴史的に考える」について、柴田暖子が「青いウィーンとアフリカ系移民」についての中間報告を行った。続く総合ディスカッションでは、前年度までの研究の進捗状況及び今後の進め方について協議した。これらの成果をふまえて2019年度は最終の調査および調査結果の分析を進める一方、論集を刊行する準備にも取りかかる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、大体の現地調査を18年度中に完了することとしていたが、移民・難民とその受け入れ都市ウィーンの関係や状況は刻一刻と変化しているため、時期をずらして調査に行く必要も感じるようになった。折しも研究グループのメンバーには所属機関で役職を担当していたり、職務による拘束が厳しいため海外調査に出るだけの自由な研究時間が確保できないものが複数出てきたこともあり、19年度にも現地調査に派遣する必要性と妥当性があると判断したため、学内業務等と調査日程の調整を行った結果、19年度にも海外調査を行う必要が生じ、その結果、成果の分析と総合が予定よりも遅れる可能性が出てきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
19年度はまず第一に、新自由主義のウィーンに関する歴史的調査および旧ユーゴの特にコソヴォ出身の女性たちの実地調査のため、2名ほどウィーン及び移民・難民の出身地への派遣を行う。また、18年度に初めて接触できた他の旧ユーゴ出身者のうち、第一世代と第二世代にそれぞれインタヴューを行うため2名ほどの派遣を実施し、ウィーンで暮らす際のアイデンティティ形成のありようを探求する。先行して調査を進めたケーススタディ(ブルガリア出身、アフリカ出身、ウィーンのジェントリフィケーション)に関しては、調査結果の分析と総合を進め、研究成果のまとめに取りかかる予定である。一方、当初インフォーマントとして調査協力を依頼していた人物のウィーン滞在スケジュールと日本からの派遣研究者のスケジュールの調整が難しいことがわかったため、調査の進捗が遅れている。対策として、部分的に文献調査による情報不足の補完を行うとともに、サブ的に調査協力を依頼していたインフォーマントを主たる情報提供者に切り替えて、調査を継続する予定である。おおよその成果を共有するため、19年秋をめどに研究会を開催する予定である。
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Research Products
(4 results)