2019 Fiscal Year Annual Research Report
西洋近代の海洋世界と「海民」のグローバル循環―北大西洋海域から
Project/Area Number |
16H03502
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 きく代 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (80207084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝井 敬司 関西大学, 文学部, 教授 (00144311)
肥後本 芳男 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00247793)
佐保 吉一 東海大学, 文化社会学部, 教授 (00265109)
森永 貴子 立命館大学, 文学部, 教授 (00466434)
中野 博文 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (10253030)
田和 正孝 関西学院大学, 文学部, 教授 (30217210)
坂本 優一郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (40335237)
竹中 興慈 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (50145942)
遠藤 泰生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50194048)
金澤 周作 京都大学, 文学研究科, 教授 (70337757)
君塚 弘恭 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (70755727)
阿河 雄二郎 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 名誉教授 (80030188)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海のリテラシー / 海民 / グローバル循環 / テキスト / 文化共同体 / 大西洋海域 / 地中海海域 / 太平洋海域 |
Outline of Annual Research Achievements |
近代になると、ヨーロッパ諸国が外洋に乗り出し、アフリカ、アジア、両アメリカの地域と接合するにつれ、様々な海民(海に生きる人々)が未曾有の規模で行き交うようになった。この海のグローバル化は、従来の経済的な次元での、「商品」フローを追求する研究では全体像を把握できない。海の連結に直に貢献した、人間としての海民を多面的に分析しなければならない。本研究は、海民の世界を、日常から「知」の領域まで層序を掘り下げていくもので、例えば海民の移動範囲やライフサイクルあるいはマンタリテの次元と、交易や移民のネットワーク、海洋資源を求める国家政策の次元と、海の記憶や語りの次元とを重層的に立体化し、近代欧米の海民が果たした歴史的役割を究明するものである。 2019年度は、プロジェクトの構成員が、大西洋研究を洗練させるとともに、地中海海域、太平洋海域と接続することで、海民のグローバルな循環に関して事例研究を進めた。こうした捕鯨船、奴隷船、探検隊などによる複数の海域を渡る海民研究は、成果をまとめる段階に来ており、2020年7月中に紙媒体の報告書を刊行する準備をしている。 反省すべき点は、全体で集まる機会が少なかったことである。春学期は順調で、互いの研究成果を報告しあうとともに、イギリス、スペインの海洋史の専門家を招聘し有意義な知見を得た。しかし、秋学期は、台風、疫病が重なり多くを中止せざるを得なかった。研究成果をメールで情報交換し相互理解に努めたものの、十分であったかというと否定できない面がある。もっとも、海外招聘をし講演会・討論会を実施したことは、全体での相互理解を促進するのに役立った。海民のグローバルなフロー、各海域の特徴や多様性を説き、海洋文化を大局的に捉える報告と討論は、本研究の研究者それぞれが研究成果をまとめるのに役立ち、現在総合化を図るうえでも今後の指針のひとつになった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)