2017 Fiscal Year Annual Research Report
Kirishitan Culture during the Ban on Christianity in Japan
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16H03514
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
浅野 ひとみ 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (20331035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稗田 優生 大分県立歴史博物館, 大分県立歴史博物館, 学芸員 (60636439)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | キリスト教 / メダル / 信仰具 / 蛍光エックス線分析 / キリシタン |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にローマ、ベルファストで行った調査を各分野の学会で口頭あるいはポスター発表した。バチカン図書館のメダルについては版権付き写真をすべて購入できなかったので、2018年度に発表する予定である。 5月に南蛮文化館において初期洋風画を調査(浅野・稗田)、6月に京都セルバンテス懇話会全国大会において踏絵について口頭発表(浅野)、7月、大分県埋蔵文化財センターにおいて、全構成メンバーによる研究発表会、8月に徳川ミュージアム所蔵の約70点の祈念メダルの調査(蛍光X線分析、光学調査)を実施(稗田、浅野、佐々木)、夏季、浅野はロンドンで資料調査を行った。9月に、天正少年使節の一人であった千々石ミゲルの墓所の第一次発掘(大石一久統括)によりキリシタン遺物と見られるものが発見されたため、後期はそれらの物品の制作地、年代特定作業を始めた。11月に津久見市所蔵「修道士」像に関する光学、および蛍光エックス線調査を実施した(浅野・稗田・武田)。 文化財科学分野では、稗田が中心となって、蛍光エックス線分析を用いた材質調査を進めるとともに、昨年度の調査成果を学会等で発表した。2016年7月に開催された研究会では、メダルの材質に関して、英文で調査結果を報告した。11月に安土桃山時代から江戸初期の初期洋風画の彩色材料調査を実施した。研究成果発表として、2017年6月に山形で開催された日本文化財科学会でポスター発表、8月に上海で開催された第6回東アジア文化遺産シンポジウム(2017上海国際文化遺産シンポジウム)でポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査はおおむね順調に進展しているものの、資料所蔵者との交渉が必要な調査は時間を要した。2017年度に行った調査結果の精査および分析結果の解析を進めており、所蔵者の許可を経たのち、調査成果の発表を進める予定である。調査を進める中で、過去の分析事例とも比較が必要であり、これまで以上に文献調査を行う必要が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
浅野は踏絵に関する論考を刊行し、千々石ミゲル関連遺物の報告書をまとめる。 2016年度、2017年度に行ったキリスト教メダルの材質調査から、真鍮製のメダルが多い傾向が見られた。真鍮材料とキリスト教メダルの関連性について、引き続き再考察を進める。これまで調査が行われていない長崎県内伝世品など、国内の信仰具について光学調査(蛍光X線分析)を行いたい。キリスト教関連資料に関する文献調査(国内)もあわせて実施する。 稗田(分担者)・後藤(連携研究者)は、2018年秋に調査成果を大分県立歴史博物館でパネル展示にて公開する。また、同2名は大分県立歴史博物館研究紀要でも調査成果の発表を行う。浅野(代表者)・稗田(分担者)・後藤(連携研究者)は日本文化財科学会第35回大会でバチカン図書館所蔵資料調査の成果発表を行う。
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Research Products
(8 results)