2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reflections on Conflict-of-Laws Issues with Regard to International Aspects of Succession Substitutes
Project/Area Number |
16H03548
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横溝 大 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 貴美 同志社大学, 法学部, 教授 (10319460)
大島 梨沙 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20580004)
藤谷 武史 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90313056)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 相続代替制度 / Estate Planning / ジョイント・アカウント / 抵触法 / 準拠法選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、第1フェーズの研究を継続する一方、第2フェーズの研究を集中的に行った。先ず、2017年6月17日(土)、同志社大学において開催された同志社大学国際私法研究会において、「相続代替制度に関する比較法的・抵触法的検討」という共通テーマの下、本研究課題の全メンバーが個別報告を行い、これまでの中間成果について国内の研究者と意見交換を行った。 その後、横溝と林は、2017年12月及び2018年3月に、同志社大学において会合を行い、本研究課題との関係で重要な抵触法的課題について意見交換を行った。最初の会合では、林が「国際信託と相続準拠法」というテーマで報告し、その後当該会合での意見交換を踏まえその成果を論文として公表した。また、2回目の会合では、横溝が「相続準拠法と当事者自治」というテーマで報告した。その成果は、最終年度である平成30年度に公表される予定である。 藤谷は、上述した同志社大学国際私法研究会での意見交換をも踏まえ、これまでの検討の成果を「外国法上の相続代替制度に対する日本租税法の適用」という論文で公表した。また、相続代替制度と租税法の関りを模索する過程の一つとして、米国においてエステイト・プランニングの一つと位置付けられている公益信託についても研究を行い、その成果を信託法学会で報告し、また論文「公益信託税制の現状と課題」として公表した。 大島は、フランス法における相続代替制度に関し、比較法的観点から研究を進め、フランスにおいて相続と国際私法に関する国際会議に出席する等して情報収集を進めると共に、フランスにおける相続代替制度を巡る実務に詳しい公証人Burneau氏と連絡を採り、インタビューによる意見交換を行う日程(平成30年度5月)を確定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、各国の相続代替制度を把握する第1フェーズと、適切な準拠法選択のあり方を模索する第2フェーズから成る。初年度の第1フェーズの検討を踏まえ、本年度は第2フェーズを集中的に検討する予定であったが、予定通り、これまでの中間成果を研究会で報告し必要なフィードバックを得た上で、後半は第2フェーズを集中的に検討し、相続代替制度の中でも重要な位置を占めると共に従来の検討が不十分であった国際信託と相続準拠法との関係について成果を公表すると共に、同制度の活用にとって重要な立法論的課題である相続準拠法における当事者自治導入の可能性について研究を進めることが出来た。また、租税法的観点からの検討も順調に進んだ。さらに、比較法的検討については、フランスに焦点を絞り、さらにその実態についての検討を進めた。このように、本研究課題は、全体として順調に進展しているということが出来る。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる本年度は、外国人実務家へのインタビューにより比較法的検討をさらに充実させると共に、抵触法上の重要論点についてさらに会合で意見交換をした上で論文を執筆する。また、英語での情報発信を行うと共に、研究成果を総括するためのワークショップ及びシンポジウムを開催し、その成果を全員で公表する予定である。より具体的には、以下の活動を予定している。 5月に、フランスにおいて公証人へのインタビューを行い、フランスにおける相続代替制度の実態についてさらに知見を得る。 横溝は、2018年3月に行った報告に基づき相続準拠法と当事者自治についての論文を執筆し、公表する。林は、本研究課題に関する抵触法上の重要論点について報告を行い、論文を執筆する。また、本研究課題における抵触法的検討につき、横溝と林がZeitschrift fuer Japanisches Rechtに論文を執筆する(尚、当初は比較法的検討に関しても論文公表を予定していたが、2016年に相続代替制度の各国法比較を行ったAlexandra Braun/Anne Roethel (eds.), Passing Wealth on Death (Bloombury, 2016)が公刊されたことから、現在では意義が大きくないと判断し、こちらの検討についての包括的な形での公表は見合わせることとした)。 名古屋大学でのワークショップを踏まえた後、12月、同志社大学において、総括シンポジウムを行い、その成果を名古屋大学法政論集等で公表する(尚、当初予定していた国際法学会の公募セッションへの応募は、日程上都合が付かず断念せざるを得なかった)。
|
Research Products
(13 results)