2016 Fiscal Year Annual Research Report
Compensation Scheme for East Japan Earthquake Radiation and Tsunami Victims' Living Welfare and their Community-Building Challenges: Interdisciplinary Discussions
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16H03569
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻内 琢也 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00367088)
今野 正規 関西大学, 法学部, 准教授 (10454589)
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任教授 (20184369)
松本 克美 立命館大学, 法務研究科, 教授 (40309084)
米村 滋人 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (40419990)
池田 恒男 龍谷大学, 法学部, 教授 (60092128)
淡路 剛久 立教大学, --, 名誉教授 (90062653)
今中 哲二 京都大学, 原子炉実験所, 研究員 (90109083)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 居住福祉 / コミュニティ形成 / 放射能被曝 / 疫学的因果関係 / 予防・警戒原則 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)皮切りに、分担者今中の京大原子炉研に集合して各自の問題意識を共有した(6月27日)。福島の放射能被害との関係では、東京の明治大学などで定期的に関係弁護士とともに、研究会を行った(分担者淡路も同様)(9月24日、11月20日、12月4日、3月19日。10月下旬は、日本環境会議沖縄大会の放射能問題を扱う分科会でも討論)。分担者今中は、別途継続的な被災地調査を継続している。 (2)東北大震災との関係では、災害復興学会(石巻専修大学)(10月1日、2日)があり、討論参加し、牡鹿半島を訪ねた合宿があり、女川原発を訪問した。さらに広島で自主避難者問題に関するシンポに参加し(1月21日)、中京大学の成元哲教授の社会学的実証的研究について議論し、中国武漢の華中師範大学で、福島問題を講演した(10月17日)。また日中韓居住問題会議(西安)でも環境法学について報告した(10月15日)。 (3)「医学と法学との対話」を開始し、岡山大学の津田教授を訪問し(7月25日)、さらに、同教授を北大に迎えて、交流を深め(家田教授の科研と提携。10月21日)、今後の提携関係を計画している。更に、同教授にしばしば引かれるロスマン教授をボストンに訪問して、議論してた(12月12日)。 (4)それに関連して、水俣病問題について、分担者淡路の勧めで、目下のノーモア水俣訴訟を巡る現状把握に関する会合を持ち(9月24日、1月29日)、それに関連させて、水俣におけるシンポに参加し(12月15~17日)、フィールドワークを行い、、天草の被害者掘り起こし調査にも加わり、その後水俣を再調査した(2月4~7日)。 (5)更に、蓄積的損害という意味では通ずる、中国における毒ガス被害者の聞取り調査をし(8月28日、29日)、関連して広島の大久野島調査も行った(9月16日)(これには、分担者・研究協力者水野・今野両准教授同行)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の放射能被害及び被害者に関わる訴訟状況の分析については、頻回の研究会により検討を深めることができた。さらに、関連事例(水俣病)について、やはり発生機序の複雑さ、未解明の状況から、法的因果関係の認定に困難を伴う場合の「疫学的因果関係」の進捗状況について、学際的分析の機会があり、さらに日米の比較法的研究の端緒を得ることができて、今後ともこの方向での研究は継続したい。
しかし他方で、コミュニティ分断のPTSDないしその克服の方途に関する研究については、分担者辻内の家庭の事情もあり、充分に進めることはできなかったが、この方面での研究は次年度以降に託したい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、原賠法に関する訴訟について次々判決が出されるので、そのフォローを中心に批判的検討、具体的な論点ごとの課題解決に努めたい。また、今年度既に開始した、疫学的因果関係の学際的研究も、関係訴訟とも連携しつつ、更なる考察を深めたい。
それとともに、充分に今年度進捗できなかった被災者のコミュニティ分断に伴う心理的状況の学際研究の進展に努める。
他方で、海外調査に着手する。すなわち、先行事例である、チェルノブイリ事故やスリーマイル島事故に関する被害者調査を行い、福島事例との比較検討を開始したい。
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Research Products
(25 results)