2017 Fiscal Year Annual Research Report
地中海の移民・難民問題とEUによるガバナンス形成―南欧諸国の戦略を軸に
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16H03588
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂井 一成 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60313350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 晴子 日本大学, 商学部, 准教授 (00465379)
八十田 博人 共立女子大学, 国際学部, 教授 (70444502)
岡部 みどり 上智大学, 法学部, 教授 (80453603)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際関係 / 南欧 / EU / 地中海 / 移民 / 難民 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は(a)EUとしての地中海での移民・難民問題への対応の分析と、(b)EUとしての移民・難民問題への対処における南欧諸国からの影響の分析を並行して行った。 (a)については、主に岡部が担当し、1年目に集めた資料を基礎にしながら、さらなる情報の収集とともに分析を行った。これと協働しながら(b)として、坂井、八十田、細田が各々フランス、イタリア、スペインの政策がいかにしてEUとしての戦略に組み込まれていったかについて、各分担者が現地調査を含めて検証を行った。 1995年のバルセロナ・プロセスの開始と2008年発足の地中海連合(UfM)の政策展開を視野に入れつつ、1999年にアムステルダム条約発効による人の移動自由化を促進するシェンゲン協定のEU内部化を契機に、EUとしての移民・難民政策が進展したが、この1999年の時点から2010年暮れからのアラブの春以降にまで継続されてきているのかに焦点を置いて分析を進めた。細田は9月にナポリ東洋大で行われた国際シンポジウムでスペインに関する報告を行い、10月に神戸大で研究会を開催した。 そして1月にはナポリ東洋大のGiuseppe Cataldi教授を神戸大に招へいしてセミナーを行い、上記の点について意見交換を行った。さらに2月には神戸大で開催された研究拠点形成事業による国際シンポジウムと連携し、フランス、イタリア、スペイン、及びセルビア、イギリスの研究者とも意見交換を行い、南地中海地域からの移民・難民の流れ(地中海ルート、バルカン・ルート)の現状と、これに対する南欧諸国の対応及びEUの対応について分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリスのEU離脱決定に対する対応の見極めに時間を要した初年度の繰り越し分のフォローを進めつつ、現地調査や専門家との意見交換など、全体として予定通りのペースで研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、2年間の成果を踏まえて、学会等でパネルを設定するなどの成果発信を行うことで一旦到達点を把握し、最終年度へとつなげていきたい。
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Research Products
(13 results)