2017 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災からの経済復興・産業再生における政策ツールの有効性評価
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16H03608
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増田 聡 東北大学, 経済学研究科, 教授 (30231591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 伯朗 東北大学, 経済学研究科, 教授 (10263550)
小野 裕一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (00700030)
柴山 明寛 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80455451)
磯田 弦 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70368009)
西山 慎一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70614006)
中島 賢太郎 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (60507698)
野呂 拓生 青森公立大学, 経営経済学部, 講師 (10711666)
櫻木 晃裕 宮城大学, 事業構想学群(部), 教授 (10331604)
坂本 直樹 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (80367937)
江川 暁夫 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (70734276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 経済復興 / 産業再生 / 政策評価 / グループ(化)補助金 / 復興・創生期間 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度も引き続き震災復興支援策の実態を整理し、産業再生・経済復興において重要な役割を果たしてきた政策ツールである「グループ補助金」を中心に、「二重ローン対策、復興交付金と増税、仮設店舗・工場の提供、災害危険区域を含む土地利用計画、自治体の企業誘致策等仮設店舗・工場の提供、災害危険区域を含む土地利用計画、自治体の企業誘致策等」も含めた検討を進めた。その成果として、企業パネルに対するアンケートの詳細分析からグループ補助金の政策効果に関する欧文論文を投稿した(2018年5月に投稿)。
次ぎに、統計指標を延長するためのデータ収集を行い、先行研究等の整理・レビューを通じて、上記政策ツール群に対する概括的評価や実施の効果等に関する論点の抽出を行った。また復興現場の視点から見た評価については、研究代表者が運営に携わっている「みやぎボイス2017:計画・制度とそこからから零れ落ちるもの(7月1日開催)」で、観光・インバウンド政策と国際的情報発信を中心に、政策実務者・学識経験者・企業経営者等によるラウンドテーブルを開催し、その成果を報告書にまとめるとともに、12月にそのフォローアップ「アフターボイス」を開催した。
さらに、4月には台湾集集大震災からの復興調査(九二一地震教育園区・淡江大学他)、8月には奥尻島の現地調査、10月には日本都市学会64回大会「都市の復興モデルを探る」の企画運営・石巻開催・報告、11月の世界防災フォーラムでのセッション「東日本大震災からの経済復興・産業再生:震災復興モニタリングと地域経済分析の課題」を主催し、研究成果の国際的な情報発信を行った。なお、継続実施してきた企業パネルに対するアンケート調査は実査に係る予算的制約を勘案し来年度以降の実施としたが、復興・創生期間(2016~2020年度)中の課題変化を把握できるように調査方法の見直しを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付内定時の研究実施計画に示した項目には、ほぼ予定どおりに実施できたが、企業パネルに対するアンケート調査は、実査に係る予算的制約もありその実施を先送りした。一方で、研究開始後の2016年4月14日に熊本地震が発生し、研究対象とするグループ補助金等の政策ツールがここにも適用される状況が生まれたため、熊本地域での復興研究グループ(熊本学園大学)に調査票を提供し、現地での調査を支援した。その成果は、同グループの調査報告書にまとめられている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度には研究分担者の異動等があったため、財政学分野から新メンバーの参画を得て、2017年度以降の調査を進めている。2018年度は、グループ補助金に関する欧文論文に引き続き、仮設店舗・工場提供や災害危険区域を含む土地利用計画に関する論文執筆を進めたい。特に、集中復興期間(2011~2015年度)が終わって、復興・創生期間(2016~2020年度)への時間経過に伴う政策課題の変化を踏まえて政策手段の選択変更も進むと考えられるため、それらに適合的な調査票(設問項目と尺度)を準備する必要がある。また、2020年度の復興期間そのもののが終了した後の「復興政策」の継続・変容についても考察を始めたいト考えている。
また上記のように、熊本地震(2016年4月)との比較検討を行いつつ、調査方法を吟味し、研究データ基盤(時空間データベース)の拡充を図って行きたい。
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Research Products
(20 results)