2016 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動を考慮した不確実性・不明確性下での集団行動理論・実験分析
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16H03621
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 辰義 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (20205628)
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (30633474)
柿中 真 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (40421234)
上條 良夫 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (40453972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不明確性 / 不確実性 / 気候変動 / 協力行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
一年目において気候変動に関する不明確性と不確実性に関する文献調査を実施した。更に、これら文献調査の結果を元に実験調査の詳細をデザインした。二年目には、気候変動に関する不確実性や不明確性を一般の人々がどの様に認識しているのか、明らかにする為のアンケートの作成、及び、そうした認識の下でどの様に協力行動を取るのか、質問表調査と実験を日本とバングラデシュにおいて実施した。現在、日本とバングラデシュにおいて調査実験を実施した結果をデータ解析・分析中である。予備的な結果であるものの、バングラデシュでは、不確実性と不明確性に関して人々の認識が比較的に一様でありつつ、気候変動を人為的であると考えている傾向が非常に強い事、そして、気候変動の影響が直接的に大きいであろう農山漁村域において、人々の協力行動のレベルも非常に高い事が示された。一方、日本では、不明確性と不確実性に関する認識は必ずしも一様ではなく、個人差が大きい事、そして、気候変動を人為説と認識している人、自然偏移説と認識している人の割合がほぼ半々であった。これらの結果の幾つかは我々の想定を上回り、如何に気候変動の不明確性と不確実性が人々の認識と協力行動に影響を与えるのか、重要な示唆を与えるものであった。現在、データ分析を進めつつ数篇の学術論文として纏める為執筆中である。又、これまでの実験調査結果から新たなトリートメントを含む実験を追加で実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部の実験調査を除き、計画した様に実験調査は進んでいる。又、得られた結果も想定していた以上の結果を得れており、学術的に十分な成果をあげていると考えている。最終年度において、更なる追加実験をする事で更なる重要な研究として認知される可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
一部予定通り実施することの出来なかった調査実験を最終年度に実施する。又、現在執筆中である数篇の論文を完成させ、学術誌に投稿すると同時に気候変動や環境経済学の学会にてそれら論文を逐次発表して行く。
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Research Products
(1 results)