2016 Fiscal Year Annual Research Report
Panel/Longitudinal Studies on Changing Marginal Labor
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16H03691
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 教授 (60273570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 あかね 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (20470106)
阪口 祐介 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (50589190)
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
吉田 崇 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (80455774)
吉岡 洋介 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 助教 (90733775)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | パネル調査 / 時系列データ / 中心/周辺 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまだ第一波と第二波の調査がなされただけであり、データ・クリーニングも十分ではないため、実質的な変化についてはわからないが、パネルの損耗率については分析できた。損耗率は全体で 30.0% であった。ちなみに東大社研若年パネル(20~34歳)の第一波から第二波の間の損耗率は 80.7% だったので、本調査の損耗率のほうが有意に低い (p < .001)。男女の損耗率を比較すると、有意な男女差は見られず、これは学歴や年齢、従業上の地位を統制しても同じ結果であった。年齢別にみると20~24歳が37.3%、25~29歳が22.9%でやはり有意差があり、これも上記の統制変数をコントロールしても同様の結果であった。東大社研若年パネルに比べて損耗率が高い理由の一つは、本調査のほうが対象者の年齢が若いことにあるのかもしれない。その他、注目すべき結果として独居者で損耗率が高く(オッズで 1.3倍)、学生で低かった(オッズで 0.6 倍)。学歴の効果を見ると、高卒で損耗率が高かった(オッズで 0.7 倍)。居住地には有意な効果がなかった。 仕事の変化を見ると、2017年の7~11月のあいだに何の変化もなかった人が 84% (これを滞留率と呼ぶ)、勤め先の変化があった人が 6%、勤め先は同じだが従業上の地位に変化があった人、離職した人、就職した人がそれぞれ 3% であった。東大社研若年パネルで第一波から第二波の1年間の滞留率が 71% であるから、これよりも有意に変化のなかった人の比率が高い。仮に移動が独立事象ならば本調査のサンプルの1年間の滞留率は 0.84 の3乗で 60% なので、かなりこちらのほうが滞留率は低い計算になる。この点については今後の経過を観察する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでに申請したように、平成28年度に実査を担当する研究員を雇用する予定であったが、予期できない事情によって採用が遅れてしまったため、補助金を平成29年度に繰り越している。繰り越した当初予定の平成28年度の課題はすでに完了しており、その意味では順調に推移している。しかし、当初平成28年度に実施するはずの研究を平成29年度に行ったという意味ではやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、第2~4波の調査を行い、データをコーディングし、分析して結果を報告する。
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