2018 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワーク・ケアマネジメントの独自性とその評価に関する研究
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16H03712
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
白澤 政和 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (20094477)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
社会福祉士や精神保健福祉士であるソーシャルワーカーが実施するケアマネジメントの特徴を明らかにするために、初年度は介護支援専門員を対象に、2年度は初年度の介護支援専門員とマッチングした要介護者を対象に調査を実施した。3年次は相談支援専門員を対象に調査を行った。 初年度の結果からは、ソーシャルワーク・ケアマネジメントの実施状況は①ストレングス支援と代弁機能、②利用者・家族との共同、③環境への支援、④高齢者と環境との関係の把握、⑤利用者との関係、⑥他機関とのチームワーク、⑦インフォーマルケアの活用の7因子からなり、7因子についてソーシャルワーカー資格の有無でt検定を行ったが、ソーシャルワーカーの資格保有者と他資格者との間ではいずれも有意差がみられないことを明らかにした。 また、ケアマネジャーと管理者との間でのケアプラン作成での意見の違いがある者が4分の1あり、意見の違いがある者に内では、管理者の意向でケアプランを作成している者は3分の2あった。ケアプランに意見の相違の有無は、ケアマネジャー側では「性別」「経験年数」「主任介護支援専門員資格の有無」、事業者側では「事業所の規模」「介護サービス実施の有無」が影響しており、管理者かケアマネジャーのどちらの意向で決定するかは、ケアマネジャー側での要因はなく、事業者側の介護サービスの実施の有無が要因として明らかにした。 2年度の結果としては、就労していた介護者が半数おり、介護離職者が12.1%であった。介護者が就労を継続するのには、「介護期間」「介護者の年齢」「介護者の健康状態」「ケアマネジャーと関わっている期間」が影響していることを明らかにした。 3年度の相談支援専門員の調査については、全相談支援事業所のリストから単純無作為抽出法にて3000か所を抽出し、事業所に対して調査票を郵送し、195票(回収率39.83%)を回収することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
相談支援専門員の調査を1月に実施し、2月末に完了した。ただし、一昨年度および昨年度の調査結果を分析し発表することでの経費がかさんだ。さらに、今回の調査では、催促状を送ったこともあり、調査票の回収率が4割と高かったことから、経費が不足し、データ入力を次年度で対応することになった。そのため、調査結果の分析が遅れていることが、「やや遅れている」とした理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の積み残しである相談支援専門員調査の分析を至急開始し、同時に相談支援専門員の利用者ないしは家族を対象にした調査を行う。これについては、障害者のソーシャルワーク・ケアマネジメントとその過程での意思決定支援の被実施度および満足度を明らかにし、さらに相談支援専門員での回答と利用者ないしは家族の回答をマッチングして、分析をすることで、社会福祉士や精神保健福祉士がどこまでソーシャルワークの独自性を果たせているかを明らかにする。 さらに、介護支援専門員の回答と利用者ないしは家族の回答をマッチングし、ソーシャルワーク・ケアマネジメントや介護者支援について、社会福祉士や精神保健福祉士がどこまでソーシャルワークの独自性を果たしているかを、さらに深めた分析を行い、学会誌等への投稿や国際学会発表を行っていく。
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Research Products
(7 results)