2017 Fiscal Year Annual Research Report
嫌悪とヘイトスピーチ:排斥行動の内的過程解明とその予防に資する基礎的研究
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16H03725
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中村 真 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50231478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 和典 就実大学, 教育学部, 准教授 (00610031)
河野 和明 東海学園大学, 心理学部, 教授 (30271381)
今田 純雄 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (90193672)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 嫌悪 / 感情 / 社会的排斥 / ヘイトスピーチ / 社会問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の確認、進捗状況共有のため、8月、12月、3月に3回の打ち合わせを実施した。 また、日本感情心理学会等と共催で、12月に、第12回日本感情心理学会セミナー「社会的共生と排斥行動Ⅱ:嫌悪はなぜ拡散するか?」を実施した。セミナーでは、本研究グループの嫌悪感情に関する研究成果の報告にとどまらず、ソーシャルメディアによるネガティブ情報の拡散に関する話題提供、排斥行動への対応に関する討論が行われた。具体的な内容は以下の通りである。(1)三浦麻子(関西学院大学)「ソーシャルメディアによる排斥的情報の伝播と社会的影響」、(2)岩佐和典(就実大学)「行動免疫と非人間化から見た排斥的態度」、(3)河野和明(東海学園大学)「排斥の適応論と現代日本人のヘイト対象について」、(4)指定討論 佐藤徳(富山大学)、今田純雄(広島修道大学)。さらに、宇都宮大学国際学部付属多文化公共圏センターと共催で、異分野融合研究会「多文化共生と社会的排斥」を実施した。 個々に分担した研究テーマの実績については、以下の通りである。(1)「行動免疫と非人間化の観点から、特定集団への排斥行動を見聞きする第三者の態度に、嫌悪が及ぼす影響」をテーマにした研究を実施した。(2)集団間葛藤WEB調査(第一調査)の分析結果に基づいて、第二弾の調査の準備を行った。(3)Kinectを用いた嫌悪関連行動に関する実験を行い、成果を発表した。(4)筋電図を用いた嫌悪関連感情の表出に関する予備的研究を行った。(5)社会的排斥とそれに対応するための教育モデル構築の可能性について検討し、国際学会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究組織としての活動、個々が分担している研究テーマのそれぞれについて、当初の計画がおおむね順調に進んでいる。 研究計画の進捗状況共有のための打ち合わせを行いつつ、個々の研究を進めるとともに、日本感情心理学会等と共催で、第12回日本感情心理学会セミナー「社会的共生と排斥行動Ⅱ:嫌悪はなぜ拡散するか」を実施し、宇都宮大学国際学部付属多文化公共圏センターと共催で、異分野融合研究会「多文化共生と社会的排斥」を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を踏まえ、2018年度は以下の研究の実施を計画している。 (1)内集団による外集団排斥の許容、非人間化による共感の抑制について検討する。(2)集団間葛藤WEB調査(第一調査)の結果を踏まえ、2回目のWeb調査を実施し、対人嫌悪と排斥行動の関係について分析を進める。(3)社会的排斥の実例として、ヘイトスピーチの実情と法的措置の実施状況について調査する。(4)表情筋筋電図を用い、文章等による感情喚起場面、表情刺激等に対する顔面筋反応の測定実験を行う。(5)嫌悪感情と社会的排斥に関する、関連分野の知見を得るとともに、研究成果を共有するための研究会・セミナーを実施するとともに、社会的に発信するための記録としてまとめる。
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Research Products
(11 results)