2017 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の認知機能低下を適切に評価するための心理検査開発に係る包括的研究
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16H03746
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
鈴木 宏幸 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90531418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心理アセスメント / 高齢者 / 認知機能評価検査 / 軽度認知障害 / MoCA-J |
Outline of Annual Research Achievements |
MoCA-Jの標準値作成を目指す当該年度の研究として、地域縦断研究における6年間の追跡データを用いて、MoCA-Jの反復効果について検討した。東京都板橋区の住民基本台帳から東京都健康長寿医療センター周辺9町内在住の65歳~84歳の男女全7,162名を抽出した。2011年10月に参加希望者913名を対象にしてMoCA-J、MMSE等諸変数に関する調査を実施した(T1)。その後およそ1年間隔でMoCA-Jを実施し、6年後(当該年度、T6)にも同様の調査を実施した。T1とT6のMoCA-Jを完遂した311名(女性60.1%、T1時の平均年齢72.5±4.6歳)を分析対象とした。MMSEには変化がなかったものの(T1:28.3点, T6:28.1点)、MoCA-Jは有意に低下していた(T1:24.4点, T6:23.9点, p<.01)。認知領域ごとの分析では、視空間機能と見当識においては有意な低下がみられた(p<.01)一方、記憶機能においては有意な向上がみられた(T1:2.7点, T6:2.9点, p<.05)。5単語遅延再生課題の単語ごとに反復効果を分析したところ、いずれにおいてもT1からT6で有意に正答率が向上していた。5歳間隔の年齢群ごとに検査時期による5反後遅延再生課題の得点を分散分析により比較したところ、交互作用が有意であり、65~70歳および71~75歳の群ではT6の得点が向上していたものの、80歳以上の群では低下していた。言語機能、実行機能、注意機能では変化はみられなかった。地域における6年間の縦断追跡の結果、MoCA-JはMMSEでは検出されない認知機能の低下を検出することができていたと考えられる。また、MoCA-J平行版および視覚障害版についてカナダの研究グループから作成の了承を得てデータ採取を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では聴覚障害者に対応したMoCA-Jを作成する予定であったが、カナダのMoCA原版の開発グループによる聴覚障害者版作成が遅れているため、現在のところ作成した日本語版検査は仮版となっており、今後、修正の上でデータ採取を開始する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
カナダのMoCA原版の開発グループによる聴覚障害者版作成が著しく遅れた場合には、日本オリジナル版として聴覚障害者向けの認知機能評価検査の作成・開発を実施してデータを採取する。
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Research Products
(1 results)