2018 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成の思想と制度に関する比較発達史:20世紀の国際関係を視野に入れて
Project/Area Number |
16H03764
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾上 雅信 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40177275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 淳 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (00274035)
熊谷 愼之輔 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (30325047)
尾島 卓 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (50293270)
平田 仁胤 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (50582227)
梶井 一暁 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (60342094)
山口 健二 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (90273424)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 教員養成 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、アメリカ、中国そして日本の各国が20世紀の国際関係のなかでどのような教員をもとめ、どのように養成し、国民教育の現場たる学校(主として初等学校)に教員を送り出していたのか、比較発達史的分析を試みることにある。 第三年度にあたる30年度は、昨年度に引き続き、研究計画全体の基礎的な部分となる研究作業、すなわち①比較分析の対象となるフランス・イギリス・ドイツ・ロシア・アメリカ・中国・日本、各国における教員養成発達史の個別的側面の把握に努めるとともに、②成果の一部を大学紀要等に発表する、さらに関連学会で口頭発表することを目指した。具体的には、①では各国担当者(主分析者)それぞれ個別的に国内の文献調査と資料(図書などの刊行資料及び複写資料)の収集を行った。担当者それぞれが先行研究及び基本的な研究資料を調査して図書を中心に購入することに努めた。さらにその成果を踏まえた一部の担当者は、該当国の大学・文書館などで一次資料(史料)の調査・収集も行った。また②では、梶井、平田が指導する大学院生とともに近代中国を対象に共同研究を行い、成果の一部を所属研究科の紀要に公表できた。また、フランス担当の尾上、ロシア担当の高瀬、日本担当の梶井の三名で教育史学会第62回大会(一橋大学)において仮説的な口頭発表(コロキウム)を行う予定であったが、当日台風の影響で中止となってしまった。これも準備はできていたため 全体として、第三年度もまた当初の目標をおおむね達成することができたといえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、各分担者が文献調査に基づき必要資料を順調に収集することができたことに加え、一部は現地に赴き大学・文書館で資料調査と収集することができたこと。また、台風の影響で中止となってしまったものの、研究全体を貫く仮説の提示を含む口頭発表(共同発表(コロキウム))の準備ができたこと。また研究成果の一部を所属機関の紀要に公表し、かつ関連学会で口頭発表もできたこと。さらに、これは共同研究の副産物といえるが、本研究の共同研究者が中心となって一部最新の研究成果も盛り込んだ図書(大学の教育史テキスト)を作成、出版できたことも理由としてあげられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
全体として、第三年度は当初の目標をおおむね達成することができたが、分析対象各国それぞれ資料も未だ不十分であり、次年度も継続して積極的に収集に努める。さらに次年度には、引き続き収集した資料に基づき各対象国ごとの個別的な分析作業を継続するとともに、昨年度中止となってしまったコロキウム発表、すなわち共同して分析するための仮説的な分析枠組みの構築と提示を行いたい。昨年度の共同討議では、すでに高等教育史(大学史)分野で指摘されてきたドイツ(プロイセン)を発信源とする影響関係が、教員養成史にも適応できるのではないかとの仮説が立てられた。この仮説的な枠組みに基づいて個別事例的な分析を進める。具体的には、プロイセンからフランス(第三共和政)への制度面における影響の分析、同じくプロイセンから明治日本への思想・教育方法面での影響についての分析を行う。これらを整理し、教育史学会第63回大会(静岡大学)で共同発表を行うことをめざしたい。
|
-
-
-
-
[Book] 西洋教育史2018
Author(s)
尾上雅信(編)
Total Pages
197
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
978-4-623-08416-6