2017 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀アメリカ初等中等学校のテスト情報の日本的な受容と展開に関する比較史的研究
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16H03776
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠座 知恵 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20580864)
橋本 美保 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60222212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 試験 / 19世紀 / アメリカ / 比較教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ.19世紀アメリカ公立初等中等学校の筆記テスト形成過程の情報整理 ■1)在米史料目録の作成と史料情報の整理: 19世紀の中盤以降の「筆答テスト」普及の際に、全米に出回った試験規則、試験問題、実施要項、結果報告書等の一次資料の他、教育関係者や記者らが記録や大衆伝達のために作成したメモや原稿類の資料リスト(稿)を作成した。 ■2)在米史料に加えて、国内の史料収蔵先(国立国会図書館、東京大学アメリカ研究センター図書室など)において米国新聞記事における日本情報の調査を行い、日本人訪米者の足跡を整理した。 Ⅱ.明治期学校への試験制度導入・実施等に関する情報の収集と整理 ■1)国内史料目録の作成:試験規則、試験問題、実施要項、報告書類他、教育関係者や記者らが作成したメモや原稿等の史料目録(稿)をさらに整備した。国会図書館デジタルコレクションなどのオンライン情報の調査や、静岡県立図書館、滋賀県庁資料室などの古文書資料などの国内出張による情報収集により、作業を進めた。 ■2)米国の試験情報が明治期の小学校試験の実施過程に与えた影響について考察を進めた。成果の一部は、日本教育史学会(11/25、於・立教大)で、「アメリカ小学試験情報の日本的受容の事例的考察―天野皎『下等小学諸科試験法』の発刊事情― 」として報告した。また、近世の教育と試験に関する英文論文を執筆し、内外の研究者の諸原稿との編集過程を経て、英国の出版社から公刊するための完成原稿を提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた米国出張が、親族の介護や逝去等の事由によって不可能となったため、日本に強い影響を与えた19世紀アメリカの試験の事例情報の史料収集が滞った。また、研究成果を中間的に学会発表して、在米教育史研究者との情報交換をする計画であったが、これも叶わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度叶わなかった米国出張による在米史料収集を平成30年度に回して実施したい。また、研究成果の報告を、平成30年(2018年)8月に、ベルリンで実施される国際教育史学会に於いて実施することが内定した(事前査読あり)。
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Research Products
(2 results)