2018 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の自立プロセスと親子関係および教育の効果に関する研究
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16H03778
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10313355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 由希子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (00570821)
卯月 由佳 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (00718984)
鈴木 富美子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50738391)
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
伊藤 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (80712075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年者 / ライフデザイン / ライフコース / レリバンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度には、合計5回の研究会を開催し、Wave15の質問紙調査(郵送法)とともに、宮城県でのインタビュー調査を実施した。また、Wave7およびWave8の調査データを東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターのSSJデータアーカイブに寄託した。 2017年度に実施したWave14の調査データ(対象者の年齢:31~32歳)の分析からは、ライフコースが多様化していることが明らかになった。この数年間、顕著であった結婚・出産などのライフイベント経験率の上昇は、男女ともやや落ち着きをみせている。一方で配偶者との離別・死別の経験者が微増しつつある。職業キャリアについては、転職経験者が男性でほぼ半数、女性では6割程度となっている。また、子どもをもつ人ほど保育・教育の無償化に賛成する傾向にあった。 現在の能力と学校教育との関連性については、「様々な人と協力して物事を進める力」「つらいと思うことに耐える力」は65%以上が「十分」だと認識しており、学校での経験が「役立っている」と思う比率も高い。それに対して「論理的に文章を書く力」を「十分」とする比率は37%にとどまっているが、学校での経験が「役立っている」は44%となっている。また、こうした現在の能力評価は最終学歴とはあまり関連していないことが明らかとなった。 また、性別役割分業についての分析からは、男女とも意識のうえでは同等に家事・育児を負担すべきだと考えているのに対して、実際の家事・育児負担は女性に大きく偏っていることが明らかになった。 以上の知見について、2018年度に3本の学会発表および2本のディスカッションペーパー発行をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画通りに調査を実施して分析を進めており、成果の発表も進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度まで質問紙調査を継続し、インタビュー調査も追加的に実施していく。国内での学会発表だけでなく、2020年度には国際学会での発表も検討している。その他、これまで蓄積してきたデータの分析に注力し、研究成果のとりまとめをおこなう。
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Research Products
(6 results)