2019 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の自立プロセスと親子関係および教育の効果に関する研究
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16H03778
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10313355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 由希子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (00570821)
卯月 由佳 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (00718984) [Withdrawn]
鈴木 富美子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50738391)
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
伊藤 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (80712075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年者 / ライフデザイン / ライフコース / レリバンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、合計4回の研究会を開催し、Wave16の質問紙調査(郵送法)とともに、秋田県でのインタビュー調査を実施した。また、Wave9の調査データを東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターのSSJデータアーカイブに寄託した。 2018年度に実施したWave15の調査データ(対象者の年齢:32~33歳)の分析においては、ライフコースの多様化をふまえ、社会的ネットワーク、子育て、家事・育児の分担などに焦点をあてた。 社会的ネットワークについては、相談相手として親や学校時代の友人・知人が減少するのに対して配偶者や恋人が増加しており、ネットワークの構成が大きく変化していることが明らかになった。子育てについては、子どもの数によって子育て時間は変化しない、末子年齢があがるとともに、とくに末子が小学校に入ると子育て時間が減少する、妻の働き方にかかわらず夫婦間の子育て時間は大きく異なるが、休日に限定すれば夫もある程度は子育てにかかわっていることが確認された。さらに、夫の家事・育児について夫婦間で認識の違いがあり、その違いが大きいほど妻は不満を抱きやすいことが明らかになった。 また、インタビューデータをもちいた分析から、親子それぞれがもつ「自立観」が一致している場合と一致していない場合では、若年者が自らを「自立している」と感じるかいなかが異なること、とくに非典型的なキャリアをもつ若年者では親が典型的な自立観をもっていると自らのキャリアを肯定できないことが明らかになった。 以上の知見およびパネルデータの分析から、2019年度には2本の書籍所収論文、学術誌論文1本、学会発表1本、ディスカッションペーパー2本の発行をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画通りに調査を実施して分析を進めており、成果の発表もおこなっている。ただし、年度末において新型コロナ感染防止のため研究活動が縮小されたため、Wave16のデータ整備が遅れている。2020年度の研究への影響が懸念される。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には追加的な調査をおこなうが、Wave16までのパネルデータおよび累積してきたインタビューデータの分析と成果発表に重点をおき、研究成果の取りまとめをおこなう。
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Research Products
(7 results)