2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Empirical Study on How the Business-Cycle Affect the HIgher Education Policy Making
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16H03782
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
水田 健輔 大正大学, 地域創生学部, 教授 (30443097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 展之 公益財団法人未来工学研究所, 研究センター, 研究員 (20556071)
山本 清 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60240090)
渡部 芳栄 岩手県立大学, その他部局等, 准教授 (60508076)
島 一則 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (70342607)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高等教育政策 / 高等教育財政 / 経済循環 / 政策過程分析 / 実証分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、国内で4回の研究会を開催した。特に、平成28年度に実施した米国委託調査(以下「米調査」とする)の結果を活用し、その中間成果を平成29年5月の日本高等教育学会第20回大会で発表するとともに、収集データにもとづく実証研究を進めた。さらに、米調査での定性的なインタビュー調査結果を、米国における「州立高等教育機関への州政府交付金と授業料」に関する論議と関連づけて、レビューを実施した。 上記4回の研究会の内容については、以下のとおりである。 まず、第1回において、日本高等教育学会で発表する中間成果のとりまとめを行った。続く第2回では、米調査で納品されたデータを用いて州立高等教育機関への州政府交付金水準の規定要因に関する実証分析方法を検討した。特に2008年以降の金融危機とその後の州政府財政の動きの扱いを重点的に検討した。また、平成29年度は米国において、disinvestment hypothesis(交付金削減が授業料の高騰をもたらしているとする因果仮説)とBennett hypothesis(連邦奨学金の分厚さが授業料の高騰をもたらしているとする因果仮説)の検証が盛んに行われていたため、米調査におけるインタビュー調査結果を対照し、先行研究の妥当性について論議した。第3回については、有効と思われる変数を加味しながら州政府交付金の規定要因分析を継続し、暫定的な分析結果を検討した。また、高等教育を含めた16政策分野の州政府予算の中期変動をグラフ化し、全米50州の間での共通パターンの検討も行った。最後に第4回については、第3回での議論を踏まえて改訂したモデルの分析結果と政策分野別州政府予算の変動パターンに関するクラスター分析結果を検討した。 総じて、平成28年度の米調査結果を有効活用しつつ前進を図り、日本と英国を含めた国際比較への拡張を見据えた準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画にもとづき米国のデータを使用した実証分析を慎重に進めているところであるが、当初予定していた日本および英国との比較を中心とした国際比較については、米国に関する研究成果を援用すべく、これからの取組としている点で「おおむね順調」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は本研究の最終年度にあたるため、米国に関する研究で一定の成果を早期に確認し、英国や日本を含めて、経済環境の変化や政権交代が高等教育政策や公財政負担に及ぼす影響についてモデル化を行い、最終成果報告書を作成・刊行する。
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Research Products
(9 results)