2016 Fiscal Year Annual Research Report
急速に発展するアジアの高等教育における大学国際化評価に関する実証的研究
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16H03785
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
新田 功 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (30208251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 文香 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (20513104)
金 性希 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (60568715)
渡部 由紀 一橋大学, 大学院商学研究科, 講師 (60600111)
太田 浩 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (70345461)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際教育 / 大学国際化 / 国際比較 / 教育社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジアの主要高等教育機関の国際化度を数量的に明らかにすることを目的とする当研究の初年度の研究目標は、大学国際化指標の構築であった。この目標のために2016年4月~2017年3月まで毎月1回のペースで研究会を開催し、国際化指標の構築のために以下の作業を行った。 1.われわれ研究グループが平成27年度までに行った2次にわたる研究において構築した大学国際化指標の再点検を行った。検討の結果、指標の総数(53指標)に変更はないものの、指標分野を8分野から7分野に変更した。 2.アジアの主要大学の国際部門の教職員に対して、大学国際化に関する53指標の重要度に関するネット調査を行った。この調査の目的は、53指標をよりコンパクトで扱いやすい指標体系に集約するためである。調査に当たっては調査票の英訳、調査対象のリストアップ、オンライン質問票調査システムの設計等の準備が必要であり、専門業者にこれらの作業を委託した。リストアップの基準は、世界の大学ランキングを行っているTHEとQSのアジア大学ランキングに登場する大学である。なお、オーストラリアとニュージーランドを「アジア」に含めるべきか否かを議論し、両国の大学も当研究のアンケート調査の対象に含めることにした。調査に当たっては、リストアップした1000件の調査対象者にメールを送信して協力依頼を行っただけでなく、3月20日~24日の期間開催されたAPAIE(アジア太平洋国際教育学会)台湾高雄大会において、参加したアジア主要大学の教職員に調査協力依頼を行った。平成29年3月末を回答の締め切りとしたが、回答数が少ないため、平成29年4月以降も回答率を上げるための努力を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の平成28年度において研究の実施目標としたのは次の3点である。1.当研究グループが平成27年度までに行った研究において構築した、53指標からなる大学国際化度指標体系の再検討、2.国際化指標の英文への翻訳、3.オンライン質問票調査システムの設計と開発。 1の大学国際化指標体系の再検討という課題については、当初、(1)当研究グループが作成した指標体系の妥当性について、国内の専門家を対象としたヒアリング調査、(2)アジアの留学生主要送り出し国の国際関係部署の責任者を対象としたヒアリング調査、この2つの調査を参考にして53指標を30指標前後の体系に集約することを計画していた。しかし、研究会で議論を重ねた結果、アジアの主要300大学の国際関係部署の関係者に、オンライン質問票調査を通じて53指標の重要度を評価してもらった方が良いとの結論に達した。そこで質問票を英訳し、オンライン質問調査システムを開発した上で、調査を実施した。 以上のように、ほぼ計画通りに研究が進行したものの、集約作業は第1回目のオンライン質問票調査の集計を終えてから実施することになったので、「おおむね順調に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は以下の通りである。 平成29年3月に調査を開始した1回目のオンライン調査票調査の回収率を上げ、平成29年7月末を回答の締め切りとする。100以上の回答を得ることを最優先の課題とし、このため多様なチャンネルを使って調査の協力依頼を再度行う。回答締め切り後の8月に集計作業を行い、9月には集計結果をwebサイトで公開する。 10月からは第1回のオンライン調査に基づいて、大学国際化指標の集約作業を行う。集約作業の一環として、日本国内の国際関係部署の責任者に対して、集約した国際化指標の妥当性、改善点等についてヒアリング調査を行う。 11月末までに第2回オンライン調査票調査の設計とシステムの開発を行い、12月からオンライン調査を実施する。この第2回目のオンライン調査でも、回収率を上げるために、多様な人的ネットワークを通じて調査協力依頼を行うことに重点を置く。 平成30年1月末までに第2回オンライン調査を終了し、同年2月~3月は集計作業を行う。平成30年4月には第1段階として、調査協力者に対して調査結果を開示し、5月~6月にアジア主要大学の国際化度の調査結果ならびに国際化度のランキングをインターネット上で公開する。7月以降、当研究会メンバーが国内学会および国際学会で研究成果を発表し、これと並行して当研究の成果を報告書としてまとめる作業を行う。
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Research Products
(12 results)