2017 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞微小液滴培養による血中循環がん細胞高感度検出法
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16H03836
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
寺薗 英之 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 准教授 (30398143)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微小液滴 / がん細胞 / 血中循環がん細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの転移は、原発巣あるいは転移した部位で成長したがん細胞がリンパ管や血管内に浸潤し体内を循環する現象がおおきく関わることが知られている。本研究では転移するがんを効率よく検出する目的で、「一細胞微小液滴培養による血中循環がん細胞高感度検出法」を開発することを目標とする。血中がん細胞を捉えることで転移しているがん細胞に対して有効な薬剤選択ができる可能性が広がるなど、がん治療を進める上では重要な技術になる可能性が高い。本研究の概要として血液に膨大に存在する赤血球、白血球の中から微小に存在する血中循環がん細胞を捉える一つの手段として、微小液滴を用いた微小空間に細胞を個別に閉じ込める事で検出感度を高める事を目指す。 昨年度、微小空間を構築するため微小液滴内に封入する技術開発を行ったが、その際、モデル細胞を用いた実験で特定の高分子を利用する事で細胞増殖を微小液滴内で確認できたものの、外的圧力による細胞増殖能が抑えられるという新たな知見を得た。また、本年度になり油中水型での微小液滴作製後、微小液滴を培養液中に置換する際、微小液滴がいびつな形状になる事でその後の細胞解析が困難になることがわかった。 そこで、本年度より、細胞を個別包装する際の微小液滴の形状の均一化と、細胞増殖能低下を起こさない手法を考案した。これまで利用してきた高分子と異なる原理でゾルーゲル相転移を行う高分子を利用する事で細胞を微小液滴内に個別包装する技術開発を行った。その結果、油中水型で作製した微小液滴を培養液中に移行する際、球形を保持したまま移行する新たな技術開発に成功した。さらに本技術を用いる事で細胞増殖能を低下しない培養法を確立できる可能性について見いだすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた技術を開発する過程で、細胞の個別培養には成功したが、細胞増殖能を指標とした選別法を進めるには技術的に大きな変更を伴う必要性が生じた。また、これまで開発してきた油中水型を用いた微小液適法においても、解析が今後難しいことが予想される微小液滴を形成することがわかった。そのため研究手技を大幅に変更する必要性が生じ、今回新たな手法を開発することでこれらの問題点を解決する見込みを立てることできた。今回新たに開発した手法を用いる事で微小液滴の形状を均一化できるのみならず細胞増殖能を損なわず細胞を選別できる見込みを立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定してた開発手技に改善を加えた新たな手法で細胞選別が可能か進める。特に細胞を微小液滴に封入後、細胞増殖機能を損なわないか、より簡便に細胞を封入できないか検討を進める。さらに、非増殖細胞、増殖細胞を混ぜたモデル実験系を用いて増殖性細胞のみ分離可能か検討を進める。回収できた増殖性細胞に対し、遺伝子解析ができるかあるいはその他細胞解析の手段が可能か検討を進める。
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