2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metal nanowire suspension for heat control of high thermal source and their basic properties
Project/Area Number |
16H03843
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
B JEYADEVAN 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (80261593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井門 康司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40221775)
岩本 悠宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30707162)
山口 博司 同志社大学, 理工学部, 教授 (80191237)
山崎 晴彦 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (10780900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金属ナノワイヤ / 異方性熱伝導率 / 磁気機能性流体 / 熱輸送 / 磁場配向 / 放熱 / 蓄熱 / 銀ナノワイヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、ポリオール法を用いて直径や長さを一定に保ち異なるアスペクト比を持ったAg NWsを作製することも可能になった。さらに、合成直後に表面に吸着しているPVPの脱着に成功し、ドデカンチオールに置換することを可能にし、PVPおよびドデカンチオール被覆Ag NWを、水などの極性溶媒やトルエンなどの非極性溶媒に分散させることが出来た。しかし、磁性流体中長時間にわたるAg NWの分散は困難であり、粘性の高い溶媒や感温磁性流体中での分散について検討を行う必要がある。
分担者 井門・岩本は,磁場印加型暗視野顕微鏡を作製(市販のシステム顕微鏡に磁場印加装置を付加)し,磁場印加による銀ナノワイヤの運動挙動を観測し、明らかにした。その配向に影響するパラメータである銀ナノワイヤの直径や長さ,溶媒が異なるNWD-MFFの可視化を実施し,熱伝導異方性を誘起する最適条件の把握のための基礎データを得た。また,磁場印加による銀ナノワイヤの配向に対して,銀ナノワイヤと磁性微粒子の力学的相互作用と銀ナノワイヤの見かけの磁化の相関を数値解析により明らかにした。
分担者 山口・山崎は,新たな熱伝導率計測手法として,定常パラレルプレート法に基づく磁場印加型異方性熱伝導率計測装置を作製し,AgNW分散NWD-MFFの熱伝導率異方性の基礎データを取得した.磁場下での熱伝導率を計測した結果,計測データのばらつきが±5%の範囲に収まることを確認し,磁場下においても,計測データの信頼性を得られる結果となった.また,作製した熱伝導率計測装置を用いて,NWD-MFF中の銀ナノワイヤの濃度やワイヤの直径,長さなどが熱伝導率異方性へ与える影響について調査を行い,現状の範囲での基礎データの取得に成功した. 以上のことから,平成28年度は予定通り,Ag NWを用いた異方性熱伝導率を有するNWD-MFFの作成に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、特性の異なるAg NWの作成し、実験的・数値的可視化によるAg NWの運動挙動を明らかにし、定常パラレルプレート法に基づく磁場印加型異方性熱伝導率計測装置の作製に成功した。また、NWD-MFF中のAg NWの濃度やワイヤの直径,長さなどが熱伝導率異方性へ与える影響への基礎データの取得に成功した.
研究を加速するために同時に複数の合成実験が可能な有機合成装置の購入を計画していたが、それに代替可能な装置の入手が可能となったため上記の装置を購入する必要がなくなった。
以上のことから,本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
Cu-Ni NW合成について検討しており、反応機構解明のために反応途中でサンプリングした溶液に対するUV-vis及びX線回折測定の結果より、プロセスにおいてNiの水酸化物を経由して銅の還元及びナノワイヤの形成、Niによる被覆といった過程で反応が進行することが確認された。系内では水酸化Niの形成後、銅の析出、NWの形成、Niによる被覆の順に反応が進行する。そこで本年度は、室温から200 °Cの間でその場UV-visおよびXAFSスペクトル測定可能なセルを用いて測定を行い、錯体の生成について調査し、高温域での錯体の構造に関する知見を得、反応機構の解明に努める。
分担者 井門・岩本は,引き続き熱伝導異方性を誘起する最適条件を把握するため, NWD-MFF内マイクロ構造を実験的・数値解析的に可視化を行う。数値解析として固体と流体との相互作用を考慮した離散粒子法と差分法のハイブリッド解析を用いた解析コードを開発し,印加磁場下で形成するマイクロ構造の動的過程を明らかにする。また,NWD-MFFの静的・動的レオロジー計測を行うことで,NWD-MFFの機械的モデルを作成する。
分担者 山口・山崎は,昨年度作製した装置を用いて,NWD-MFFの異方性熱伝導率が対流熱伝達へ与える影響および,昨年度に引き続き,NWD-MFF中のAg NWの濃度やワイヤの直径,長さなどが熱伝導率異方性へ与える影響を調査し,外部磁場印加による高異方性熱伝導率誘起の最適条件を把握する.その知見を基に,NWD-MFFを用いた熱スイッチなど熱流制御装置開発のための基礎データを取得する.また,外部磁場により異方性熱伝導率を能動的に制御可能な高効率新規熱輸送媒体の提案とその工学的応用を目指し,NWD-MFFを用いた新規熱流制御装置の試作にも取り掛かる.
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Research Products
(11 results)