2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of temperature-responsive lipid nano-devices for spatiotemporally controlled payload release
Project/Area Number |
16H03844
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宗 慶太郎 早稲田大学, 理工学術院, 客員主任研究員 (20318835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 敏 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (70454056)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リポソーム / 脂質カプセル / 相転移 / 神経伝達物質 / ドラッグデリバリーシステム / 蛍光色素 / 温度センサ / 温度応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遠隔操作により脂質カプセルから時空間を制御しながら機能分子を放出する方法論・技術の確立を目指している。最終年度となる本年度は、温度応答性脂質ナノデバイスとしての実践的な応用について生体内での検討を進め成果を得た。また、本研究で開発した温度応答性脂質カプセルは微小スケールで温度を検出する超高感度温度センサとして機能することを見出した。
1)神経伝達物質の放出制御による筋動作制御:神経細胞は、神経伝達物質とよばれる分子をオンデマンド方式で分泌して神経ネットワークの興奮と抑制を制御しながら、筋肉や脳の神経系のはたらきを調節している。温度応答性脂質カプセルからオンデマンド方式で神経伝達物質を放出すると、必要な時に必要な部位で神経ネットワークに非侵襲的に介入できることを、筋動作制御の観測から初めて実証して国際誌に報告した。光や磁場を照射してナノレベルで生体組織を精密に加熱する技術と組み合わせることで、運動機能制御、神経調節や神経変性疾患の治療への応用が期待される。本研究で得られた成果は、人工細胞外シナプス小胞の開発に向けた道を拓くもので、この展望をまとめた総説が国際学術誌Smallの表紙に掲載された。
2)超高感度温度センサへの応用:微小スケールでの温度計測に関して新しい知見を得た。温度応答性脂質カプセルは特定の温度を感知してゲル相と液晶相の相転移を起こす。この相転移に伴い、蛍光の消光と発光が可逆的に切り替わる蛍光色素を見出した。この蛍光色素を使うと、蛍光強度の変化から相転移温度に相当する温度を超高感度で検出できる。この成果は、温度応答性脂質カプセルの実際の温度のモニターを可能にするだけでなく、新しい超高感度蛍光温度センサの開発戦略を提案するもので、ナノ/マイクロスケールでの超高感度蛍光温度計測や生体分子の高速高感度検出を可能にする新しいツールとして高い波及効果が期待できる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)