2016 Fiscal Year Annual Research Report
高速離散波長可変レーザーと擬似光周波数コム干渉顕微鏡の研究
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16H03879
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
塩田 達俊 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10376858)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
周波数間隔200GHzで受光器の応答時間よりも速い繰り返し周波数で離散的に光周波数を掃引する波長可変レーザー光源を開発した。原理確認用の構成として、第一に半導体光増幅器をレーザー利得媒質として偏波コントローラによる偏光調整と波長走査機構を含むファイバーリング型の光源を開発して連続波長走査を確認し、第二にエタロンを適切に設置することで、離散的に光周波数走査が行われることを確認した。ここで波長走査機構は回折格子を含む反射光学系を構築して実現した。ここでは、試験として低速のビーム走査機構を用いてオシロスコープと光スペクトル解析器によりミリ秒の繰り返し時間で走査されることを確認した。 さらに、リング型レーザー共振器内の適切な位置ににエタロン(光共振器)を設置する方法で離散的な光波長走査レーザーの作成に成功した。エタロンは500 μm厚のガラスに金蒸着して作製した。波長走査機構としてポリゴンミラーと回折格子を組み合わせた光学系をレーザー共振器内に作成することで、擬似光コム干渉用の光源を作製した。ここで、ナノ秒領域により周波数走査が行われることを確認した。そして、レーザー光でパワーがある上に発生した出力光をフィルタで削ることなく実質の光コムとして干渉計測に利用してより高いエネルギー利用効率を得た。これにより高感度化への基本原理を確認した。また、上記のエタロンを設置することで、その周波数が200GHz間隔で離散的に発振していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光コム干渉を用いて形状計測範囲拡大できる光計測システムを実現するために、高感度化を実現するためのポイントである広い周波数間隔の疑似的な光コムを効率よく発生することに成功した。具体的には、200GHz間隔のコムピークを高速に順次離散的に走査できる光源を実際に組み上げて実験的に動作確認した。さらに、外部共振器型のリングレーザーと外部にエタロンを組み合わせて離散ステップ200 GHzで30 nmの帯域を42 kHzの繰返し周波数で離散走査される様子を実験的に確認し、上記レーザー光を干渉計に導入し疑似光コム干渉での段差計測を実験で確認したが、この際にレーザー共振器内にエタロンを配置することで、エタロンのフィネスで決まる干渉次数の上限をさらに引き上げられることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルショットの高速化を狙うために、周波数間隔200GHzで受光器の応答時間0.1msよりも速い1MHに匹敵する繰り返し周波数で離散的に光周波数を離散的に掃引する波長可変レーザー光源を開発する。レーザー光でパワーがある上に発生した出力光をフィルタで削ることなく実質の光コムとして干渉計測に利用してエネルギー利用効率90%以上を得て高感度化を図る。レーザー共振器の構成として、青色LDと中心波長約550 nmのレーザー利得媒質であるPr3+添加シングルクラッドファイバ(以降、PD-SCF)を用いた光出力を実現する。さらに、共振器エンドミラーを回折格子とし、その回折格子への入射角をAODで制御する。AODを制御するマイクロ波周波数を離散的に高速掃引することで、高速離散波長可変レーザー光を得る。また、マイクロ波周波数の離散走査とエタロン(光共振器)を設置する方法について検討を進める。この様に擬似光コム干渉用の光源を作製する。 また、100次分の干渉により、100枚分の画像をCCD1台の1フレームで取得する。100次(±50次)干渉を得るために、エタロンとレーザー共振器のフィネスの関係についても最適化するための基礎検討を進める。
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