2017 Fiscal Year Annual Research Report
高速離散波長可変レーザーと擬似光周波数コム干渉顕微鏡の研究
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16H03879
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
塩田 達俊 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10376858)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
周波数間隔200GHz で受光器の応答時間速い繰り返し周波数で離散的に光周波数を掃引する波長可変レーザー光源の開発を目指し、原理確認として、レーザー共振器構成によるレーザー発振を確認した。離散走査のためのエタロン(光共振器)を500 μm 厚のガラスに金蒸着して作製し離散的な波長走査が可能であることを確認した。 SPMの回折格子としての性質として、Littrow配置で回折次数に相当する複数の設置角で入射光軸に戻り光を示す。空間位相変調器としては高次回折成分では、高分解能な断層像を得ることが可能となる。回折光を直接検出する場合には軸方向(深さ方向)分解能が、回折次数に依存する。本研究では、SPMと検出器間に結像光学系を組むことで回折次数に依存しないシステムで実験を行った。この前提で、SPMの操作により回折次数を光学的に選択してイメージングすると、深さ方向の倍率が次数に比例してズームイン/アウトできることを確認した。特に回折次数を20 次まで増やし、CCD で観測されるシングルショット断層画像のピクセルあたりの深さ距離(単位μm /pixel)を制御した。空間位相変調器と検出器の間の結像光学系に4-f光学系を構築して分解能がピクセル数のみに依存することを確認した。 断層スペクトル分光法について、時間領域低コヒーレンス干渉の時間走査を行い相関波形ごとにフーリエ変換するが、複素屈折率分布を分離計測するためにクラマ―ス・クロニッヒ変換を導入して2層膜の分離を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離散波長可変レーザーの動作に関する原理確認実験が成功したこと、離散掃引に関わらずシングルショット光学干渉計へ導入した際にコム干渉波形を得られることを確認した。さらに、計測範囲の空間位相変調器による回折次数依存性や空間分解分光の高精度化などの基本動作を実験的に確認しており、シングルショット断層計測の高速化の基礎となる技術の動作原理の検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
近赤外領域から可視光領域での離散波長可変レーザーの確立とシングルショット干渉波形の確認を行う。マイクロ秒オーダーの波長走査で離散的に波長走査を行えるレーザーを実験的に開発し、半導体レーザーでは容易ではない平均光パワーを得る。これにより、レーザー光でパワーがある上に発生した出力光をフィルタで削ることなく実質の光コムとして干渉計測に利用してエネルギー利用効率90%以上を得て高感度化を図る。エタロンの設計指針や、高速走査に関する基本的なノウハウを得る。計測分解能の確立も目指して、波長走査範囲100nmを目指してレーザー共振器内の素子の選択を進める。また、計測範囲を広範囲化するための共振器内損失等の低減等も行う。
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