2016 Fiscal Year Annual Research Report
バルクシリコンを用いたシリコン・ゲルマニウムフォトニクスプラットフォームの形成
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16H03880
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 靖彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60303541)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / バルクシリコン / 光導波路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バルクSiウエハをプラットフォームとするSiフォトニクスの実現を最終目標とする。Siフォトニクスは高速・低電力な光集積回路を実現するSi技術である。SOI(Si-on-insulator)ウエハが作製に用いられているが、エレクトロニクス用SOIと仕様が異なり(特に埋め込みSiO2層が数ミクロンと厚い)、ウエハが特殊かつ高価格という問題がある。本研究では、一般的なバルクSiウエハを利用したSiフォトニクスの実現を目的とする。実現の鍵は相反する2つの特性、(1)表面の光導波路からSiウエハへの光放射の防止、(2)表面の光導波路からSiウエハ直上のGe受光器への効率的な光結合、を両立する点にある。薄いクラッド層で下地のバルクSiウエハへの放射損失を抑制することが重要になる。 平成28年度は、薄膜の誘電体多層膜(多層SiO2/SiNxの一次元フォトニック結晶)をクラッド層するSiNxチャネル光導波路構造、および、薄いSiO2をクラッド層とするSiNxリブ光導波路構造について、導波損失を計算機シミュレーションにより評価した。その結果、薄膜の誘電体多層膜をクラッド層するSiNxチャネル光導波路構造では、誘電体多層膜クラッドを構成するSiNx層のスラブモードへの光結合が避けられないため、クラッド層が1ミクロン以下のような薄膜の条件においては、伝搬損失が大きくなることがわかった。一方で、SiNxリブ光導波路構造の採用がクラッド層の薄層化に有望であることがわかった。また、並行してSiNx層およびSiO2層のスパッタ法による堆積の条件出しを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造設計においてリブ構造が有望であることがわかり、作製に向けた薄膜の堆積の条件出しも進んできており、順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
下地のバルクSiウエハへの放射損失が小さく、かつ、曲げ半径の小さいSiNxリブ光導波路の構造の最適化を進める。
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