2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relation between representations at the critical level and those of level zero for affine Lie algebras and semi-infinite flag manifolds
Project/Area Number |
16H03920
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 聡 東京工業大学, 理学院, 教授 (60252160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 岳 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40309539)
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40377974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代数学 / アフィン量子群のレベル・ゼロ表現 / アフィン・リー環の臨界レベル表現 / 半無限旗多様体 / 半無限シューベルト多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果としては、先ず、アフィン量子群上の extremal ウエイト加群の Demazure 部分加群の次数付き指標を、量子 Bruhat グラフの言葉で明示的に書き表した事が挙げられる。これによって、特に有限ワイル群の最長元に付随する Demazure 部分加群の次数付き指標が、同じ最長元に付随する非対称マクドナルド多項式の t = ∞ での特殊化と本質的には同じものである事が分かった。また、有限ワイル群の一般の元に付随する Demazure 部分加群の適当な商加群を考えてその次数付き指標を取れば、Feigin-Makedonskyi が導入した generalized Weyl 加群の次数付き指標と一致する事も示す事が出来た。この結果は、上記の商加群の古典極限 (q = 1 での特殊化) が、generalized Weyl 加群に他ならない事を示唆していると考えられる。 さらに、extremal ウエイト加群の結晶基底の具体的な実現を与える semi-infinite Lakshmibai-Seshadri (LS) path に関して、通常の有限次元旗多様体に対する standard monomial theory の組合せ論的な類似を証明した。そして、この結果に基づいて、半無限旗多様体の (準連接層の成す) 同変 K-群における Pieri-Chevalley rule を証明した。これは、上記の同変 K-群において、半無限旗多様体上の (優整形式に付随する) 直線束とシューベルト部分多様体の構造層との積を、シューベルト部分多様体の構造層で展開した時の係数 (構造定数) を semi-infinite LS path の言葉で明示的に記述するものである。この結果は、半無限旗多様体上の準連接層の今後の研究において重要な役割を果たすと期待されるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果によって、半無限旗多様体の代数幾何学的な性質についての研究が、シューベルト部分多様体とその Bott-Samelson-Demazure-Hansen 型の特異点解消に関して、大いに進んだと考えられる。特に、これらが共に正規であるという、代数幾何学において基本的な役割を果たす結果が得られた事は、特筆に値するものである。また、半無限旗多様体上の準連接層の構造に関しては、半無限旗多様体の K-群の構造定数を記述する Pieri-Chevalley rule が証明出来た事によって、その研究には非常に進展があったと言える。特に、シューベルト部分多様体上の (岩堀部分群に関する) 同変直線束の分類が完全に出来た事は、顕著な結果と言える。 また、extremal ウエイト加群の (アフィン・ワイル群の一般の元に付随する) Demazure 部分加群の次数付き指標の量子 Bruhat グラフの言葉による記述が得られ、それによって上記の Pieri-Chevalley rule の (アフィン量子群のレベル・ゼロ有限次元表現による) 表現論的な解釈も得られた。 これらの研究成果により、アフィン量子群のレベル・ゼロ有限次元表現と半無限旗多様体の代数幾何学の間の関係については、少なくとも一定の理解が得られたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アフィン・リー環の臨界レベル既約最高ウエイト表現と半無限旗多様体の代数幾何学の間の関係の研究に進みたいと考えている。そのための具体的な研究計画として、半無限旗多様体上の (岩堀部分群に関する) 同変偏屈層の構造の研究に着手したい。 この研究の結果は、アフィン・リー環の臨界レベル既約最高ウエイト表現の指標公式を得る上で決定的に重要な役割を果たすと考えられる。そのために、研究分担者の荒川智幸准教授 (京都大学数理解析研究所) や連携研究者の斉藤義久教授 (立教大学) との協力の他に、上記の Pieri-Chevalley rule の研究における共同研究者である加藤周准教授 (京都大学) に研究協力者になってもらって、研究を進める予定である。 またその一方で、アフィン量子群のレベル・ゼロ有限次元表現で、その次数付き指標が非対称マクドナルド多項式の t = ∞ での特殊化となるものを、extremal ウエイト加群の Demazure 部分加群の適当な商加群として構成したい。この研究の結果は、アフィン量子群のレベル・ゼロ有限次元表現と半無限旗多様体の代数幾何学の間の関係における新しい側面を切り開く事が期待できるものである。そのために、連携研究者の佐垣大輔准教授 (筑波大学) と協力して研究を行う予定である。
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Research Products
(13 results)