2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relation between representations at the critical level and those of level zero for affine Lie algebras and semi-infinite flag manifolds
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16H03920
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 聡 東京工業大学, 理学院, 教授 (60252160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 岳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40309539)
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40377974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 半無限旗多様体 / 同変 K-群 / 同変量子 K-群 / シューベルト多様体 / Chevalley 公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、連結かつ単連結な複素単純代数群 G の極大放物型部分群 P による剰余空間 G/P である部分旗多様体の (G の極大トーラス H に関する) 同変量子 K-群において、基本ウエイトの -1 倍に付随する G/P 上の直線束の類と Schubert 多様体の構造層の類の量子積を記述する Chevalley 型公式を研究した。そして、G が A, B, D, E 型で、基本ウエイトが minuscule ウエイトまたは cominuscule weight の場合に、上記の Chevalley 型公式を証明した。さらに、G が C 型の場合には、全ての基本ウエイトに対して、上記の Chevalley 型公式を証明した。 これらの公式は、極大放物型部分群 P に付随する放物型 Bruhat グラフを用いて、型が基本ウエイトである Lakshmibai-Seshadri パスの言葉で記述されるものであり、これまでに知られている多くの類似の結果と異なり、G の型に依らずに統一的に記述される点が特に重要である。また、その証明には、半無限旗多様体の (H に関する) 同変 K-群において、基本ウエイトの -1 倍に付随する半無限旗多様体上の直線束の類と半無限 Schubert 多様体の構造層の類のテンソル積を記述する Chevalley 型公式 (これは、これまでの我々の研究によって既に得られている) を利用するものであり、G の Borel 部分群 B による剰余空間である旗多様体 G/B の H-同変量子 K-群と半無限旗多様体の H-同変 K-群との間の (ある種の演算を保つ) 同型に基づいている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
半無限旗多様体の (G の極大トーラス H に関する) 同変 K-群は、H の表現環 R(H) 上の加群としての構造を持ち、この加群構造を決定する事は非常に重要な問題である。しかし、直線束の類と半無限 Schubert 類とのテンソル積に関する Chevalley 型の公式が、量子 Bruhat グラフを用いて量子 Lakshmibai-Seshadri パスの言葉で非常にうまく記述されるのに対して、この R(H) 上の加群としての構造に関する公式 (逆 Chevalley 公式) を記述するには、量子 Bruhat グラフと量子 Lakshmibai-Seshadri パスという言葉だけでは不十分である事が認識されて来ている。そこで、この逆 Chevalley 公式を記述する言葉を整備しておく必要があり、そのための研究を先ず行わなければならないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
半無限旗多様体の (G の極大トーラス H に関する) 同変 K-群において、任意のウエイトに付随する半無限旗多様体上の直線束の類と半無限 Schubert 多様体の構造層の類とのテンソル積を記述する Chevalley 型の公式を証明する予定である。そして、この公式を、旗多様体 G/B や (極大とは限らない) 一般の放物型部分群 P に付随する部分旗多様体 G/P の (G の極大トーラス H に関する) 同変量子 K-群における量子積の記述の研究に応用する事を考えている。 また、半無限旗多様体の持つ (G の極大トーラス) H の表現環 R(H) 上の加群としての構造を記述する逆 Chevalley 公式を証明したいと考えている。G の極大トーラス H の表現環 R(H) はウエイトに対応する指標で生成されるが、先ず最も基本的かつ重要な場合として、minuscule 基本ウエイトの有限ワイル群軌道に属するウエイトの場合を考察する予定である。旗多様体 G/B の H-同変量子 K-群と半無限旗多様体の H-同変 K-群は R(H) 上の加群として同型であるから、この結果は G/B の H-同変量子 K-群の代数構造の研究への応用が見込まれる。 任意のウエイトに対して上記の Chevalley 型公式とこの逆 Chevalley 公式が共に証明されれば、半無限旗多様体の H-同変 K-群の代数構造は完全に決定され、その結果として旗多様体 G/B の H-同変量子 K-群の代数構造も決定される事になる。これは、旗多様体 G/B のトーラス同変量子 K-群の代数構造に関する現在における理解の状況から考えれば、非常に大きな進展になるものと期待される。
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Research Products
(5 results)