2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on geometric structures of singularities of the mean curvature type flow
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16H03937
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
成 慶明 福岡大学, 理学部, 教授 (50274577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光太郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (10221657)
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 平均曲率フロー / 特異点 / 最大値原理 / リーマン多様体 / 部分多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究目的を達成するため, 研究代表者と宮岡先生及び中国側のオーガナイザー等は平成30年9月6日から12日まで第4回日中幾何学研究集会を主催した。さらに研究代表者と研究分担者等は平成30年11月3日から6日まで福岡大学微分幾何学研究集会を主催し, 微分幾何に関する研究打ち合わせ及び情報収集を行った。 平均曲率型のフローに現れる特異点に関する幾何構造を解明するため, 研究代表者は南開大学のZhang Weiping教授と復旦大学のDing Qing教授等を招聘し, 平成31年3月24日から29日まで微分幾何学セミナーを主催した。 1. 研究代表者と研究協力者Wei Guoxin教授と共同で4次元ユークリッド空間内の第2基本形式の長さが一定となる2次元完備ラグランジュセルフ-シュリンカーの分類研究を行い、大きな進展を得た。さらに, 単位球面内の平均曲率が一定でコンパクトな超曲面上のJacobi作用素の第1固有値の評価研究について, 新しい試験函数を見つけて, 最適な評価を得た。 2. 研究分担者山田は3次元ユークリッド空間の楕円面は双等温構造をもつことが知られており,クリストッフェル双対が存在する。とくに楕円面の三軸が等しくなるような極限をとるとクリストッフェル双対はシャークタワーと呼ばれる極小曲面になる。この問題のミンコフスキー版を考察し,二次曲面の双対として得られる極大曲面を表示した。 3.研究分担者塩谷は体積が有限で断面曲率が有界かつ負であるような完備リーマンのエンドにどのような多様体が現れるか?という問題を考えた。特に次元が4のときは,エンドはグラフ多様体または可解多様体であることが知られている。我々は任意の非正断面曲率を持つグラフ多様体がエンドに現れることを証明した。 4.研究分担者納谷はラプラシアンの第1固有値を最大化する閉曲面上の計量を決定する問題を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では研究課題の研究計画に沿って部分多様体の部分幾何学に関する研究方法と広義最大値原理を用いて, 平均曲率型のフローに現れる特異点に関する幾何構造に関する研究を順調に推進している。特に, 体積保存平均曲率フローのコンパクトで埋め込みλ-超曲面を構成し, 平均曲率フローの完備ラグランジュセルフ-シュリンカーの分類研究を行い, 大きな進展を得た。単位球面内の平均曲率が一定でコンパクトな超曲面上のJacobi作用素の第1固有値の評価研究について, 新しい試験函数を見つけて, 最適な評価を得た。ローレンツ多様体の超曲面上の光的な点において誘導計量の行列式が臨界点をもつならば,退化点集合は光的測地線を含むことを示した。さらに, 任意の非正断面曲率を持つグラフ多様体がエンドに現れることを証明した。種数2の閉リーマン面上のラプラシアンの第1固有値が最大となる計量に関する研究も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の研究体制は平成30年度の体制と同様である。本研究課題の研究計画に沿って, 平成30年度まで確立した基本的な研究手法を踏まえて, 新しい研究方法を発案する。 それを用いて, これまでの 研究成果に基づき、さらなる研究を行い、研究代表者と研究分担者は国際研究集会と国内研究集会及びシンポジウムに参加・講演を通じて多方面の研究者と交流することを目指す。研究進展具合を踏まえながら、次のような計画を考えている。ユークリッド空間内の平均曲率フローの完備セルフ-シュリンカーに関する研究を行う。特に、ユークリッド空間内の第2基本形式の長さが一定となる完備ラグランジュ・セルフ-シュリンカーを完全に分類する。漸近円錐エンドをもつ完備セルフ-シュリンカーの一意性を研究する。さらに, 重み付き体積を保つ平均曲率フロー型の完備λ-超曲面に関する研究及び平均曲率フローのセルフ-シュリンカーに関する研究を行い、完備セルフ-シュリンカーに関する定理を完備λ-超曲面に拡張する。閉リーマン面上でラプラシアンの第1固有値に関する研究, ワイエルストラス・データをもつローレンツ・ミンコフスキー時空の極大曲面に関する研究を推進する。球面内のコンパクト極小超曲面に関するS.S.Chernの予想に関する研究も行う。本研究の目的を達成するために最大限に努力する。
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Research Products
(24 results)